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みんなでのんびりピクニック話…っぽいです。何せ語り部がピクニックに乗り気でないもので…その感じが出てるかどうか。
一期設定です。



001:晴れた日に
 
 
 
 晴れた日に外に出る。それはまだ良いとしよう。
 けれども、目の前に広がるこの光景は何だ。
 小高い丘の上、レジャーシートを敷いた上に置かれている握り飯やらサンドイッチらや羅……行楽弁当やらを眺め、ヴァーチェは自分がどんな反応をするべきなのかに全く思い至らなかった。どうしようか、怒ってもいいのだろうか。
 しかし、思ったところで相手が相手だ、本当に怒る事も出来ない。
 仕方ないと言えば仕方ないが……これでは随分と情けない気がする。
 軽く息を吐いて、現状を作りだした原因に視線を向けた。
 オレンジ色の髪の彼は、シートの上に在るものを手に取る出もなく、のほほんとした表情を浮かべてそよ風を感じる様に目を閉じている。が、目とは違って口を閉じるつもりはいらしい。マシンガンの様に、と言うと些か言い過ぎかもしれないが、それに近いくらいの勢いで言葉を生産していく。
「あれ?ヴァーチェは食べないんだ?だったらデュナメスが食べちゃいなよ」
 ……彼は、そう。ハロだった。
 勿論、デュナメスの……そして彼のマイスターの相棒の橙色のハロである。
 彼は人畜無害な顔をして、自身の相棒に絡んで笑っている。デュナメスの方は既に慣れてしまったようで、苦笑をしながらもさほど苦にはしていないようだった。
 それだけで称賛に当たるのではないかと思いながら、自分の前に置かれていた焼きそば弁当を、すすす、とエクシアの方に押しやった。ハロの言う通りデュナメスにやっても良かったかもしれないが、物欲しげな視線にさらされてしまったのだから仕方が無いだろう。
 別に放っておいても良かったのだが。そんな風に思いながら、これだけは手元に確保しているという紅茶のペットボトルに手を伸ばす。
 中の液体を口の中に流しこんでいると、隣に座っていたキュリオスが嬉しそうに口を開いた。
「ねぇ、」
「……何だ」
「ピクニック、楽しいね」
「……それほどでもないだろう」
 ただ見通しの良い場所に来て、シートを広げて、その上に座って、適当に買ってきた者を適当に飲み食いしながら、ぽつりぽつりと会話するだけだ。楽しいも何も、場所が違うだけで普通の食事となんら変わらない。
 それでも、まぁ……こんな事も悪くは無いかと思えてしまうのだから、不思議なのだが。






ハロは最強説プッシュです。腹黒説も超プッシュですよ。
 

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