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マイスタ、っていうかティエとライルです。そして、この二人をセットにすると、どうしても90パーセントくらいの確率でライルが酷い目に遭うんですがどうしましょう。



010:海
 
 
 
「ライル・ディランディ、罰ゲームだ。今から九月の海に飛び込め」
「……突き落とされる前に一つ言わせてもらって良いか?」
 ばさーん、と眼下から聞こえてくる岩肌に波がぶつかる音を聞きながら、ライルは油切れを起こした機械の様にギギギ、と音を立てて振り返った。
 そうして見えた無表情に、あらん限りの力を込めて叫ぶ。
「何でよりによってダイビングの場所に南極なんて選んだ!?」
 これなら八月に飛び込もうと九月に飛び込もうと、一月に飛び込もうと何にも変わる事は無いではないか。何の備えも何の助けも期待できない状況で……しかも追い打ちだけは間違いなくやってくるという保証済み。
 死は、確定した様な物だろう。
 どうりで二人きりにこだわったわけだと、こちらに来る時の彼の動向と自分以外のマイスターに対する態度を思いながら、頬を引き攣らせる。
 そして、その表情を良く分からない方向に解釈したらしい。
 訝しげに眼を細めた後、ティエリアは尋ねるように口を開いた。
「北極が良かったのか?」
「そう言う問題じゃない!何でこんな極寒の地で海に飛び降りないといけないんだよ!」
「死にやすいかと思ったんだが」
「殺す気満々か!」
「先ほどから煩いな……何だ、溺死は嫌か?」
「溺れる前に凍えるわッ!」
 不思議そうに首を傾げるティエリアに怒鳴り返すと、不意に脇腹に感じる何かを押しつけられる感覚。
 それが何なのか。今、自分と相対している相手が誰なのかを考慮すれば、わざわざそれについて考える必要などどこにもなく。
 ごくりと唾を飲むと、銃口をこちらに押し当てているとは思えないほどの冷静さと平静さを顔に浮かべて、彼は改めてその命令を口にした。
「飛び降りろ」
 ……どうやら、抗う術は無いらしい。






この後、刹那とかアレルヤとかが助けに着てくれたらライルは生き延びれるはずですが、さてはて。
……ここであえてハレルヤとかだったら…完全にアウトですね。
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