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ものすっごい捏造をした気がする……。フルカラー劇場の話ですよう。
099:虚無
この場所に来ることが出来て本当に良かったと、心の底から思う。
そして、良かったと『心の底から思えた』事に、さらに良かったと思いを重ねるのだ。
……この場所に来てから、自分はちょっとくらいは変わっただろうかと、そう考えられることが嬉しかった。幸せ、と形容する事も出来るのかもしれない。もっとも、まだまだ『幸せ』に関する定義は完成していないのだけれども。
誰かに訊けば、直ぐに定義は出来あがるかもしれない。けれども、それはするべきではないのだろうと理解していた。理由なんてあるわけがなく、だというのに理解出来ると言う奇妙な現状は、以前の自分なら単なる故障として捉えていただろう。でも、今は、ほんの少し違う。それが誇らしいのだ。
「お前、」
と。
そんな風に思っていたら、隣から訝しげな視線が送られてきた。
「……突然笑い出すな、気持ち悪い」
先ほどまで一心不乱に目を通していた本から顔を上げている彼は、視線と同じく訝しげな表情を浮かべている。どうやら気付かない内に笑みを作りだしていた自分が、一体どうして笑みを作ったのかと不思議に思っているらしい。
それはまぁ、そうだろう。彼にこちらの考えている事を察しろと言う方が無理な話で、だから彼にとって自分が笑みを浮かべた事は突然のことでしかないのだ。だとしたらやはり目にすれば驚くだろうし、戸惑いもするだろう。
くすくすと笑いながら、答えるように肩を竦めた。
「何でも無いんですよ。ただ、ちょっとばかり物想いを」
「物思い?」
「少しニュアンスが違うようですが、そんな所です」
「……そんな所、か」
「えぇ。そんな所、です」
感慨にふける様な彼の台詞に頷いて、彼の手から本を取る。
「またオカルトですか?少しくらいは別の物を読んでも良いんじゃないですか?」
「人の趣味に口を出すな」
「趣味……というか、ライフワークですよね、これって既に」
素早く本を取り戻した彼に、そう言って笑いかける。
「でも、仕事ならたまには休んでください。放っておかれると私がつまらないんです」
すっごい未来のスタゲさんとノワールさん、のつもり。
すっごい未来なら、スターゲイザーもカタコト喋りじゃなくなるかもしれないじゃん!ってなノリで出来上がったお話だと思われ。そして、そんな未来があったとしたら、昔(今?)のスタゲさんは真っ白=虚無かなぁって。
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