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授業中に眠くなることってありますよね……。
そんな感じのガイア嬢とアビスのお話です。
そんな感じのガイア嬢とアビスのお話です。
確か、目を閉じたのは授業が始まった時。
ちょっと眠いなぁと思いながら、でも起きていないとと思って、それでも耐えきれずに上の瞼と下の瞼を出会わせてしまったのを覚えている。
そして、今。
目を開いたら、何故か先生がいなかった。
付け加えると、黒板がとても汚れていた。
ちなみに時計は五十分ぐらい進んでいた。
……つまり。
「……私……授業中……ずっと寝てたの……?」
殆ど確信を持ちながら、しかし認めたくないその事実を否定する為に、ガイアはどうにか確信を打ち砕くための事実が無いかと必死で頭の中の記憶の引き出しを探った。けれども、引き出しの傍の床が散らばるばかりで、どうしても欲しい事実が見つからない。
それでは困るのだ。このままでは嫌な現実と立ち会わなければならなくなってしまう。
それは……そう『ノートを取っていない+話を聞いていない=授業内容が全く分からない』という方程式が指し示す現実だった。
ただでさえ苦手な教科だったのにと、半ば泣きそうになりながら記憶の引き出し整理を続けていると、とん、と後頭部に軽い衝撃が走った。
思わず勢いよく振り返ると、そこにあったのは呆れた様なアビスの顔。
「お前さ、授業中よく寝てたな」
「……やっぱり寝てたんだ」
確信を打ち砕くどころか補強してしまう彼の言葉に若干しょんぼりとして、ガイアは顔を俯かせた。それと同時に、引き出しから取り出した記憶たちを頭の中で引き出しに戻して行く。折角なので、ちょっとだけ整理整頓しながら。
これからどうしようと項垂れていると、さらに呆れを強くした彼の声が聞こえてきた。
「ノートなら見せてやるし、授業の内容も教えてやるからそう落ち込むなって」
「……え?でも、アビスもこの教科苦手じゃなかったっけ」
だからこの授業中はしっかりと睡眠を取っているのではなかっただろうか。
カオスも似た様な物だったはず、と首を傾げてみると、彼は数秒沈黙を保った後に、おもむろに口を開いた。
「今回は、何となくノート取ってたし、起きてたんだよ」
「そうなの?珍しいね。気まぐれ?」
「いや、お前が寝てんの分かったから」
……どうやら、自分のために起きていて、ノートも取っていたらしい。
「ま、ともかく貸し一つな」
「うん。ありがと」
ふ、と笑う彼に、ガイアも感謝と共に微笑みを返した。
この二人はひたすら仲良しだったらいいと思う。カオスももちろん一緒で。
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