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小さいころの伊達さん、と小十郎です。



05:何処か遠いところへ
 
 
 
「梵天丸様は、どこかへ行きたいと思った事はございませんか?」
「どこか?それって、どこだ?」
「どこでもかまいません。貴方が行きたいと思った場所ならば、どこでも」
 穏やかに笑いそう言ったのに、梵天丸は幼いその顔に焦りの色を浮かべた。
「別に、どこにも行きたく何て無い」
 無意識だろうか、右目を右手で押さえながら、どこか必死さを感じさせる口調で小さな竜は言う。
「ここには小十郎がいる。父上がいる。……母上がだっている。みんないる。だから、ここから離れたいなんて思ったことは一回だって無い」
 だからどこにも行きたくないのだと言って、ぎゅっと小十郎の着物の袖を握る梵天丸の本心など、火を見るよりも明らかで。
 不安を覚えさせてしまった事を悔いつつ、安心させるように彼の頭を撫でた。
「ご安心を。どこかへ行きたいと言ったからといって、それを理由に貴方をどこかへ追い出すようなまねは致しませぬ」
「本当か?」
「はい。この小十郎、命をかけましても」
「……命はかけなくて良い」
「承知いたしました」
 どこか不機嫌そうな声音にくつくつと笑いを零し、梵天丸の頭から手を離す。
 名残惜しげな表情を浮かべる小さな主君に苦笑を浮かべながら、では、と小十郎は言葉を続けた。
「今度、私が行きたいと思っている場所に行きましょう。多少遠くはありますが、よい所だと聞いておりますので、きっと梵天丸様もお気に召すかと」
「……そこに行ったとして、」
「大丈夫です。貴方の帰る場所はここだけですから」
 はっきりとそう言ってやると、幼い主君は嬉しそうに笑った。





小十郎と政宗の年齢差はどれくらいなのだろうかな…。
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