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本屋さんに行きたいなぁと思いつつ、六道さんちの皆様に本屋さんへ行ってもらいました。



「……とうさん、これ」
「あぁ、人魚姫の絵本ですね。欲しいんですか?」
「……うん。……かってくれる?」
「当然ですよ。ほら、こちらへ渡してください」
「うん!」
 ニコリと笑う凪の頭を撫でながら本を受け取り、骸は、ぐるりと辺りを見渡した。
「しかし……恭弥はどこへ行ったんです?児童文学のコーナーにはいませんでしたが」
「え?さっきまでいたよ?」
「おや。ではすれ違ったのかもしれませんね」
 大人しくこちらで活字を読んでいてくれたら楽だったのにと息を吐きながら、凪を抱き上げて、今はここにいないもう一人の子供を探そうと一歩、足を踏み出す。
 が。
「探してくれなくても良いよ」
 突然下の方から声が聞こえてきた。
 思わず固まり、そちらへ視線を向けると、どこか不機嫌そうな表情を浮かべた雲雀がこちらを見上げていた。多分、自分を見上げなければならないのが嫌なのだろう。そんな風に何気ない考えを巡らせながら、しゃがみ込んで彼と視線を合わせる。
「勝手にウロウロしないでください。誘拐でもされたらどうするんですか」
「その時は返り打つから問題ない」
「そう言う問題じゃないんです。誘拐されるかもしれない、という事実がある以上、ちゃんと幼児としての自覚を持って行動してくださいと言っているんですよ」
「用事としての自覚って……」
 少し呆れたような表情を浮かべた彼は、まぁ良いか、と呟いて、その表情のまま薄くペラペラとしている書籍をこちらに差し出してきた。
 何だと首を傾げながら受け取ると、それは武器改造専門の雑誌。
「……」
「今度、トンファーに色々と仕掛けを付けるつもりなんだけど。ねぇ、材料は何時調達に行ったらいい?」
 笑いもせずにそう言う雲雀に対して、骸が出来る事といったら沈黙する事しかなかった。






それにしても、用事としての自覚…って何だろう。
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