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後の始末は全てマーモンと桔梗に任せる事にして室内に戻ると、ばったりと霧の守護者に出くわした。
これは相手にとっても予想していなかった状況らしく、ぱちぱちと何度か瞬きをして、クロームはそれから首を傾げた。不思議そうに、奇妙そうに。
そうして、彼女は口を開く。
「……おはよう?」
「何でそこで疑問形だ」
まだまだしっかりと朝だろうが。
若干呆れながら答えると、彼女は口を閉じた。
数秒後、再び口が開かれる。
「あの、骸様を見なかった……?」
「影も形も捉えてねぇよ」
「そっか……じゃあ、ここにはいないのかな……」
どうやら六道骸を探していたらしいクロームは、少し悩む様子を見せてからこちらを見て、ぽん、と手を打った。
……嫌な予感。
今すぐ逃げた方がいいだろうかと思案し一歩足を後退させると、一歩、彼女がこちらに寄って来た。まるで逃がさないと言わんばかりの態度であり、また、逃がそうとも思っていないのだろうと自分に知らせるように。
距離を詰めることなく、だからといって離れることもなく、真っ直ぐとこちらを見上げ、彼女は問いを発した。
「もしかして、暇?」
「……だったら何だ」
「だったら、」
そして、彼女は言う。
「骸様を探すのを手伝って」
(END:5 六道骸捜索)
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