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喧嘩騒動を止めたのは良いが、ミルフィオーレの連中を本当の意味で回収して連れて帰れそうな保護者約がいなければ、本当の意味で騒動が終結したとは言い難い。
これ以上この場所で厄介事を起こされるのも鬱陶しいと、ザンザスはその役割を果たせそうなのがいないかと建物の中を歩き回っていた。もちろん、そういう存在がいない可能性もあるが、その場合はその場合で仕方がない。桔梗を頑張らせれば良いだけのことだ。
だが、どうやらそんな思考は無駄な物だったらしい。
発見した背中に、躊躇わずに声をかける。
「おい」
「わっ!?」
背後からの声に驚いたのか、一回飛び上がってから、彼は恐る恐るこちらを振り返った。
「ザ……ザンザス……?」
「テメェ、暇か?」
「え?えぇと、暇と言えば暇だし、暇をつぶそうと思えば出もつぶれるわけで、」
突然の質問に混乱したのか良く分からない返答を返してきた正一に、静かに念押すように再び問いかける。
「暇なんだな?」
「あ、うん。多分、そう」
「なら話は早ぇ。庭に行ってミルフィオーレの奴らどうにかしとけ」
「え…………えぇぇぇぇぇぇぇ!?何で!?何で彼らがいるの!?」
「俺が知るか」
「いや、うん、それはそうかもしれないけど……じゃなくて、どうして僕にそんな事頼むの!?僕って一応裏切り者なんだけど!?」
「関係ねぇ。とにかくどうにかしとけ」
「ちょっ、それ無茶だよ!」
「……とっとと行かねぇと殺すぞ」
「行ってきます」
軽く脅すと、手のひらを百八十度……否、五百四十度くらい返して、正一は走り去ってしまった。庭の方向はそちらでは無いと、どこかへ向かう彼に向って言おうかと思ったが、止めた。どうせ途中で気付くだろうし、あの様子ならば与えた任は全うするだろう。
それにしても、朝から疲れた。今来た道とも正一が去って行った道とも違う道を通りながら、息を吐く。せめて昼からは、こんな事が無ければいいのだが。
・ラストへ
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