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ゼータさんにピッタリな二文字が「天然」しか浮かばなかったんですが…あぁ、「電波」でもよかったかも。
というわけで、本当にあった怖い話~天然編~です。
というわけで、本当にあった怖い話~天然編~です。
五人中三人が怖い話を語り終えたから、そろそろ自分も喋った方が良いかと思い尋ねてみれば、返ってきたのはスターゲイザーからの肯定だった。
「話していただけるのならば、ぜひお願いしたいのですが」
「……分かった」
彼の言葉にこくりと頷く。既に、喋る事は決まっていた。
自分にとっての怖い事と言うのは、つまり。
「ある日、ミカン箱の中にあったはずのミカンが全部なくなっていた」
「……待って」
「……?どうかしたのか?」
「いや……どうかしたってゆーかその、」
困った様に眉を寄せ、デスサイズが頬をかく。
「何かその恐怖、凄い偏ってる気がするんですけど」
「……そうか?」
楽しみにしていたものが、あるはずの物が、確認してみたら消えていただなんて……恐怖以外の何物でもないのではないだろうか。また、似たようなことがあるのではないだろうか、なんて思う事は。そして、実際、似たような事は何回かあったのである。
まぁ、その殆どは自分と同様にミカン好きな弟の仕業だったので、ちょっとだけ制裁を加えてみたら、以来、そんな事は月に一回くらいしか起きなくなった。だからここ数年は、それほどその恐怖を感じたりはしていないのだが。
昔は大変だった……なんてしみじみと思っていると、ノワールががくりと項垂れたのが視界の端に入った。どこか脱力した様なその姿に、はてと首を傾げる。突然なんな事になるなんて、一体どうしたというのだろう。
考えても分かりそうになかったので思考は打ち切って、ゼータは机の上の、半分ほど残っていたミカンに手を伸ばした。
「ボクが話す事はとりあえず……こんな所だ」
白いスジを取りながら、まだ喋っていない彼女の方に視線を向けた。
「……次は、ララァか」
「えぇ。私ね」
そう言って彼女は、くすりと笑った。
「でも、あまり期待しないでね。それほど怖そうな話って私、知らないの」
ララァさんが怖いと思うような怪談話(今回は怪談話ではないものの)ってあるんでしょうかね。全然、想像できないんですけれども。
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