式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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「外かぁ……うん、有り得そうだねぇ」
こちらの言葉にそう言って頷いた彼は、ニコリと笑って手を振った。
「じゃ、ご忠告の通り外を探してみる事にするよ。ありがと、またね」
「また……?」
それはどういう意味だ、と。
そう訊くだけの時間は無かった。
白蘭が今まで立っていた、今は何も無い空間から視線を逸らして色欲の名を冠する男の方を見る。
「……ルッスーリア、アレを今後一切ここに寄せ付けない方法を考えろ」
「ごめんなさいね、ボス。私には全然思いつかないわ。瞬間移動が出来る相手なんて、とてもじゃないけれど足止め出来ないわよ。とりあえず、見つけたら逐一駆除するしかないんじゃないかしらねぇ」
「……っち」
「ところで、ボスは一体どうしてこんな所へ?」
「……あぁ」
その言葉で、ここに来た当初もの目的を思い出す。そういえば、自分は朝食をとるためにこの場所まで来ていたはずだ。望まない客人もどきと遭遇してしまった時の衝撃ですかっかり忘れていたけれども。
適当にその辺りにあった椅子に腰を下ろして、ルッスーリアに言う。
「何か作れ」
「はいはい。……あ、そうそう。スクちゃんがボスを探してたけれど」
「言うな」
「はいはい」
短く言い放つと、彼は何故か微笑ましげにくすりと笑った。
(END:3 台所エンド)
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