式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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出来る限り仲良しに、平和に、仲良しに、仲良しにしようと思った結果というか何と言うか。
口調とかがまだ曖昧だけども。とにかく呂布と曹操様のお話です。天玉町一家設定。
出来るだけ早くこちらへ来い。
呂布の携帯が受信したメールには、ただそれだけの文章のみが記されていた。どこにいて、どうして自分を呼ぶのか。そんな伝えられてしかるべき情報は一切なかったのである。もちろん、件名の部分も空白だった。
幸いと言うべきか、相手が誰なのか、その名前だけはアドレス帳のおかげで正確に把握できた。もっとも、名前などあっても無くても変わらないだろうが。自分に対してこんなメールを送ってくる相手など、一人しか知らない。
というか、二人も要らない。一人いても多すぎるくらいだろう。
ぱたんと携帯を閉じながらやれやれと肩を竦め、今までいた場所を背にして歩き出す。
行き先は、一つしかなかった。
~ ~ ~ ~ ~ ~
「遅い」
そこへ辿りついた時、既に日は沈みかけていた。
しかし、この場所に来るためにかけた時間は五分にも満たず、急な呼び出しをされた割には随分と早く来ることが出来た方だと思うのだが。それでもどうやら相手にとっては不服な記録だったらしい。若干不機嫌そうに腕を組む曹操に呆れた視線をやって、その足元へと視線を移す。
そこにあったのは、一人では持ち切れないであろう量の荷物だった。スーパーの袋が三つと、段ボール箱が一つ。明らかに段ボール箱が異端であることが分かる状況である。
何か予想もしていなかった事柄が起きて、そのせいで余計な荷物……つまり段ボール箱が彼の持ち物になってしまったのだろう。そうでなければ彼が一人で持てない量の荷物を得る事になるとは考え難い。
そして、この状況が示す事実はただ一つ。
自分は、どうやら荷物持ちに呼ばれたらしい。
「……用件はこれか」
「それ以外に何がある。……貴様はその段ボール箱を持て」
「他の奴を呼び出そうとは思わなかったのか……」
「貴様以外は部活動に勤しんでいるだろう。わざわざそれを邪魔してやろうと思うほど、俺は捻じれた性格をしているわけでは無いのでな」
何度目か数えるのも止めた自分のぼやきに対して何度目なのか数える気にもならない彼からの答えが返されたところで、大人しく言われたとおりに抱え上げるのに丁度良さげな大きさの段ボール箱を持ちあげる。
ずし、と妙な質量を持つそれに目を細め、これは何なのだと視線で問う。
それはしっかりと伝わった様で、スーパーの袋を持ちながら、曹操が息を吐いた。
「今、商店街で福引をしているのは知っているか?」
「知らん」
「……だろうな。貴様が戦闘以外の事に興味を持っているとは思えん」
「フン。……で、福引がどうした」
「丁度、福引券を持っていてな……」
「あぁ、引いたのか」
そして、その結果がこれなのか。
しっかりとガムテープで封をされている段ボール箱を見やりつつ、自身を呼び出した張本人と並んで歩き出す。
日が完全に沈んで暗くなった道は、並び立つ外套の明かりで、ぽつ、ぽつ、と仄かに照らされている。まるで道標の様だが、ハッキリ言ってしまうとその標は不要でしかなかった。今日は空に雲がかかっておらず、見上げれば煌々と輝く月や星が静かに地上を照らしているのだから。むしろ光が一切無い闇にこそ、出会ってみたいものなのだが。
そんな風に思考を巡らせつつ、口に出すのは考えていた事とは全く別の事。
「……中身は何だ」
「ん?……あぁ、それか。確か、果物詰め合わせだったと思うが」
「何等だった」
「一等だな。出来れば三等を当てたかったんだが」
「三等?」
一等でなく三等が良いとは随分と贅沢な事を言うものだと思いながら、問い返す。
「三等の景品は何だ?」
「ティッシュペーパー五箱だ」
「成程……そういえば無くなっていたか」
昨日、使おうとした時に肝心のそれが見当たらなかった事を思い出し、頷く。あの時は確か、仕方が無かったのでリビングのそれを強奪していったのだったか。
「ここで当てられればまた買いに行く必要もなかったんだが……まぁ、使える物が当たって良かったと考える方が良いだろう。贅沢は言わん」
三等の方が良かったと言っている時点で既に贅沢は言っているだろうが。
若干口惜しそうな曹操の言葉に心の中でツッコミを入れて、一度、荷持を持ち直す。
居候先まで、気付けばあともう少しの距離になっていた。
やはり修行が足りないですね……もっと精進しないと。
…という話は置いておいて、こんな感じでみんな基本的に仲良し、というのを目指していきます。仲良しって素晴らしい、が合言葉(多分)。
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