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ちょっと日付行き過ぎちゃった感じですが、クリスマス話。六道さんち設定です。



 時計の短い針と長い針が、揃って頂点を指し示した頃。
「そろそろ、ですかね……」
 リビングでソファーに座ってくつろいでいた骸は、ゆっくりと腰を上げた。
 今日はクリスマスイブ……否、今、日付が変わったから、機能がクリスマスイブだった、というべきだろう。それはつまり、今この瞬間はクリスマスであるという事である。
 そしてクリスマスと言えば、朝、子供たちが枕元のプレゼントを見つけて完成を上げる日でもあるのだ。
 キッチンにある高い戸棚の中から包装済みのプレゼントを二つ取り出してから、薄く笑う。果たして、あの二人の子供たちはこの贈り物に笑みを浮かべてくれるだろうか。少なくとも凪は喜んでくれるだろうし笑ってくれるだろう。雲雀の方は笑うかどうかは少し怪しいが、それでも喜んでくれるとは思う。
 その時の事を楽しみに思いながら子供部屋の方へと向かって、辿りついた先で立ち止まり、扉越しに子供たちの気配を探る。こんな事は気休めでしか無いのは分かっているが、けれども、やらないよりはやった方が良いだろう。起きていれば声が聞こえてくるだろうし、もぞりという音でも耳に届くかもしれない。聞こえなければ……子供たちが起きいるが声をひそめている時の事を考えて、慎重に扉を開けて部屋の中を窺えば良いのだ。
 果たして。
「音は……しませんね?」
 扉越しでは起きている気配というもの感じ得なかった骸は、一度深呼吸をして、ドアの取っ手に手をかけた。そこで再び息を吸って、吐いて……扉を、開ける。
 するとそこには雲雀が立っていた。
 思わず、固まる。
 それでも咄嗟にプレゼントだけは彼から見えない場所に退避させた自分に対して、しかし雲雀は若干不機嫌そうな表情を浮かべ、手を指し出した。
「遅いよ。待ちくたびれた。朝まで待つのは面倒だから、早くプレゼント頂戴」
「きょ……恭弥……?何でまだ起きてるんですか……というかプレゼントって、」
「ん、何?もしかして僕がサンタを信じているとでも思った?生憎、そんな年じゃないよ」
「貴方の年なら十分信じているはずなんですけれどね……」
 呻き、じぃと見上げてくる子供に、諦めを顔に浮かべながら持っていたプレゼントの包みを一つ、ぽん、と置いてやる。本当は枕元にこっそりと、が理想的だったのだが……ばれているというのなら、隠していても仕方ないだろう。
 礼の一つも言わずにそれを受け取った雲雀は、ふと思いついたように口を開いた。
「そうそう、凪はまだサンタを信じてるみたいだから、そこの所よろしく」
「……分かってます、よ」
 始めから隠し通すつもりだ。もちろん雲雀に対しても、そのつもりだった。
 だというのにこの子はもう。そんな風に思いながら、骸はため息を吐いた。






思えば、この設定の子のメンツほどクリスマスがぴったりな方々はいないですよね。
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