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どうにか今日中にあげれそうで良かったです……。
久々にリボ(…まぁ、パロディなのですけれど)の話を書きました。ので、何かおかしいかもしれませんが……すみません。
六道さんちのお話です。
久々にリボ(…まぁ、パロディなのですけれど)の話を書きました。ので、何かおかしいかもしれませんが……すみません。
六道さんちのお話です。
06:ものを投げる (Re:六道さんちの雲雀くん)
滅多にない事だけれども、骸が出張する事になった。
彼は会社に勤めているわけでは無い様だし、出張という言葉もどこまで正しいのかはいまいち分からない。けれども、仕事で遠くへ行かなければならないというのだから、出張と形容してもそれは別に間違ってはいないだろう。
そして、この養父が出張するとなると問題となることがある。
一般的に、まず挙げられる問題点というのは保護者的大人の不在、なのだろうが……その辺りは、自分も義妹も養父も、誰も心配していなかった。自分たちなら大人がいなくてもだいたいの事は出来るし、幼稚園への送り迎えはスクアーロがやってくれる事になったし、強盗が入って来ても多分自分が撃退できるし、近所に住んでいるディーノもちらちらと様子を見に来る事になっていたから。あの跳ね馬が役に立つのかはさておいて。
というわけで、問題点と言うのは別の物。
はぁ、と息を吐いて、雲雀はリビングに座りこんでいる骸の、丸くなっている背中を軽く蹴り飛ばした。
「ねぇ、いつになったら出るつもり」
「……出張なんてしたくありません」
「あっそう。でも仕事なんだし義務でよね。駄々こねてないで早く行きなよ。ね、凪?」
「うん。おしごとは……やらなきゃだめだよ?」
「分かってます……分かってますけど……二日間も凪と恭弥の顔が見れないなんて……」
言って、骸はさらに肩を落とした。
……そう。これだ。出張における問題と言うのはこれなのだ。
骸が家から出たがらないのだ。
しかも、その理由が自分たちの顔が見れないから、というもので。ならば写真でも持って行けという所なのだけれど、以前そう言ったら「写真よりも本物が良いです」と真顔で答えられた。……以来、そのあたりには深くツッコミを入れない事にしている。
しかし、いつもの事とはいえ……毎度毎度、勘弁して欲しい。
もう一度息を吐いて、雲雀は、引きずって来ていた物にそっと手をかけた。
「骸、もう一度言うよ。早く出て」
「……嫌です」
「……あ、っそ」
そこまで言うなら仕方がないか。
旅行用の硬い鞄にかけていた手に力を込め、静かに微笑む。
「じゃあ、実力行使だね」
「え? それってどういう事です?」
「いい加減にしろって事……だ、よッ!」
言い終わると同時に投げつけた旅行用の硬めの鞄は。
「……っ!?」
丁度こちらを向いた骸の顔面に、狙い通り直撃したのだった。
「凪、僕は骸を縛りあげておくから、いつもの所に電話してくれる?」
「えぇと……う゛ぃんう゛ぃちぇ、だったっけ……」
「そう。復讐者宅急便。用件を聞かれたら人間の宅配、って答えておいて」
「うん、わかった」
復讐者宅急便ってどうよ、って我ながら思うけど。
きっと、輪とかつけて引きずって連れていくんだろうね、人間。
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