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劉備のお話だけど張飛視点です。しかし、張飛か……多分、初書きなのだよな……。
そんなこんなでツッコミどころが多いかと思われますが、そこは堪忍くださいませ。
見上げれば空は雲ひとつない晴天で。
見下ろせば地面では元気に草や花が育っていて。
前を向けば綺麗な川の流れが目に入って。
後ろを向けば整えられた道を人が歩いているのが見えて。
横を向けば。
「……アニキ、いつまで寝てんだろ」
義兄が座ったまま眠っているのを、改めて確認する事になった。
本当に、いつになったら起きるのだろう。少なくとも一時間以上は眠っているはずなのだが……そして、あまり寝やすい格好で寝ているわけでもないのだが、それでも義兄は全く目覚める気配というものを見せない。
むぅ、と眉を寄せて、片手で頬杖をつく。
こんな陽気だ、眠ってしまうのも分からないでもない。現に今、自分だって気を抜いたら夢の世界へ連れ去られてしまいそうだし。けれども、先に義兄が寝る、というのが少々いだけいただけない。何せ、釣りをしようと言いだしたのは義兄なのだから。
釣り糸が川にたらされたままの自分の釣竿と、気が付けば自分と義兄の間に置かれている義兄の釣竿を見比べ、もう一度自分の釣竿の方に視線を向ける。
釣りを始めてから今まで。魚は、全然釣れていない。もしかしたらこの川には魚が殆どいないのかもしれないとは思ったが、たまに反応を見せる竿が面白くて、結局止められなくて今に至っている。……もちろん途中で眠ろうかとも思いはしたけれど、そう思うたびに釣り糸がぴんと張るのだからどうしようもない。お陰で止めるに止められず、何度も機会を逃してしまった。
……さて。
これから、どうしよう。
義兄を起こすのもいいのだろうが、ここまで気持ちよく眠られていると……どうもそれもやり辛い。まだ陽も高いし、もう少し眠っていてくれてもいい気がする。まぁ……それと同時に、一時間は寝ているのだからもう起こしてもいいんじゃないかとも、思うわけであり。
「……あと三十分くれぇかな」
それくらいで起こすのが妥当だろうかと考えながら。
張飛は、視線を川の方に戻した。
釣り具は孔明先生に借りたんじゃないかな。
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