式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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何と言うか、やっぱりこのヒト来るんだよ。私の書く話だから、仕方ないといえば仕方がないのですが。
何せ、どっぷりですからね。
「あ、トールギスⅢにサンドロック」
「ん?デスサイズか……どうかしたのか?」
「いや、救急箱知らないって訊きに来たんだけどさ……知らない?」
さっきから探しているのだが、隠されてしまったかのように見つからない。
トールギスⅢなら知っているかと思って探していたのだが……まさか、サンドロックまで一緒にいるとは思わなかった。少し失敗した。
彼は見たところ『いいヒト』に分類される性格の持ち主だろう。で、そういう相手とは何となくでも仲良くなってしまう物だ。個人の思いはこの際、全く持って関係ない。とても捻くれている性格の持ち主ならば別だが、それ以外となら自然とそうなってしまう……それがデスサイズの少ないながらも密度の濃い人生経験から導き出した結論だった。
それが一人ならまだ良かったのだろうが……四人が四人、そういった要素を含んでいるようなので手に負えない。仲良くなるのは遠慮したいので、迂闊に話も出来ない。
だから、出来うる限り避けてきた……というのに。
失敗した、ともう一度心の中で繰り返して、いつも通りの表情を浮かべる。
「…で?」
「悪いが私は知らないな」
「あ、良かったらボクが用意しましょうか?」
「……用意?」
探すんじゃなくて?
首を傾げたデスサイズだったが、次の瞬間、その疑問は氷解した。
サンドロックは携帯を取り出して、どこかへと電話を開始したのだ。
「…あ、救急箱ある?……そう、うん、今すぐなんだ……分かったよ、ありがとう」
「えっと…何となく分かるけど訊いてみることにして……誰に電話?」
「マグアナック隊のヒトに」
返ってきたのは予想通りの言葉で、思わず呆れてしまう。そんなことにお付きのヒトビトを使って、果たして良いのだろうか?……良いのだろう、多分。
けど……と、心中で溜息を吐く。
どうしよう……これは。切っても切れない縁が出来つつある気がする。
正直、ここまで色々としてくれた相手を、これまでのように避け続けるのは自分の性格からして、まず無理だ。不可能と言っても良い。むしろ引っ付いていきそうな気さえしているというのに、離れろと言うのは無茶な気もする。
本当は、そういう相手とこそ離れなければならないのに。
けれど、離れたら色々な意味で『危ない』対象もいるわけで…
自分の中の『死神』の部分が何かを察知し、思わずピンと背筋を伸ばした。
「……デスサイズ?」
「…な、救急箱っていつ来る?オレ、今すぐにでも行かないといけない気がするんだよね」
「えっと…あ、もう来たみたい」
「よしっ、じゃ、オレは行くな。隊のヒトにもらってけば良いんだろ?」
「うん……ところで、ね」
「ん?」
部屋を駆け出ようとして、声に振り返る。
すると、すぐ目の前にサンドロックの顔があった。
思わず仰け反ろうとすると、腕をぐっと掴まれて……上手く離れられない。
「ボクも一緒に行って良いね?」
「え?…いや、その……」
「だって救急箱で誰を手当てするのかが気になるし」
「えー、あー…うん…」
そういえばウイングの自爆がどうとか、手当てしてるのが自分とか、そういうことは一切言ってなかった事を思い出す。トールギスⅢには言ってあるのだが、そこはまぁ、保護者役だからということで。
「だから良いよね?ボクが救急箱持ってきたような物だし」
「いや、そこはマグアナック隊のヒトたちが……」
「良いよね?」
「……はい」
何だか勢いに押された感じだが…。
とりあえず、デスサイズは共に来ることを了承してしまった。
了承した後で、失敗どころではなくてこれは致命傷だと気付いたが…遅い。
これはどうしようもなくマズイ。ウイングの所に行き着くまでに、一言二言話すだけでは済まないだろう。話しやすそうな相手だから、会話もさぞかし弾むだろうと予想でき……だから、それがマズイというのに。仲良くなったら困る。
なぜなら、自分は死神なのだから。
幸せになることは、本来許されない存在なのだ。
友達なんて、作ってはいけない。
ウイングのことは……放っておいたら本当に死にそうだから、放っておけないだけ。
知り合った相手を『連れて行く』のも、怖いのだから。
けれどそれをサンドロックに言えるわけもなく……デスサイズはトールギスⅢに、視線で助けを求めた…の、だが。
彼はフッと笑って、言った。
「二人で行ってくると良い。仲良くもなれるだろう」
……裏切り者ッ!
そう叫びたかったが出来るわけもなく、内心では多大な後悔をしながら、サンドロックと共に、デスサイズは部屋を出て行くこととなった。
影でトールギスⅢも頑張ってます。
「ん?デスサイズか……どうかしたのか?」
「いや、救急箱知らないって訊きに来たんだけどさ……知らない?」
さっきから探しているのだが、隠されてしまったかのように見つからない。
トールギスⅢなら知っているかと思って探していたのだが……まさか、サンドロックまで一緒にいるとは思わなかった。少し失敗した。
彼は見たところ『いいヒト』に分類される性格の持ち主だろう。で、そういう相手とは何となくでも仲良くなってしまう物だ。個人の思いはこの際、全く持って関係ない。とても捻くれている性格の持ち主ならば別だが、それ以外となら自然とそうなってしまう……それがデスサイズの少ないながらも密度の濃い人生経験から導き出した結論だった。
それが一人ならまだ良かったのだろうが……四人が四人、そういった要素を含んでいるようなので手に負えない。仲良くなるのは遠慮したいので、迂闊に話も出来ない。
だから、出来うる限り避けてきた……というのに。
失敗した、ともう一度心の中で繰り返して、いつも通りの表情を浮かべる。
「…で?」
「悪いが私は知らないな」
「あ、良かったらボクが用意しましょうか?」
「……用意?」
探すんじゃなくて?
首を傾げたデスサイズだったが、次の瞬間、その疑問は氷解した。
サンドロックは携帯を取り出して、どこかへと電話を開始したのだ。
「…あ、救急箱ある?……そう、うん、今すぐなんだ……分かったよ、ありがとう」
「えっと…何となく分かるけど訊いてみることにして……誰に電話?」
「マグアナック隊のヒトに」
返ってきたのは予想通りの言葉で、思わず呆れてしまう。そんなことにお付きのヒトビトを使って、果たして良いのだろうか?……良いのだろう、多分。
けど……と、心中で溜息を吐く。
どうしよう……これは。切っても切れない縁が出来つつある気がする。
正直、ここまで色々としてくれた相手を、これまでのように避け続けるのは自分の性格からして、まず無理だ。不可能と言っても良い。むしろ引っ付いていきそうな気さえしているというのに、離れろと言うのは無茶な気もする。
本当は、そういう相手とこそ離れなければならないのに。
けれど、離れたら色々な意味で『危ない』対象もいるわけで…
自分の中の『死神』の部分が何かを察知し、思わずピンと背筋を伸ばした。
「……デスサイズ?」
「…な、救急箱っていつ来る?オレ、今すぐにでも行かないといけない気がするんだよね」
「えっと…あ、もう来たみたい」
「よしっ、じゃ、オレは行くな。隊のヒトにもらってけば良いんだろ?」
「うん……ところで、ね」
「ん?」
部屋を駆け出ようとして、声に振り返る。
すると、すぐ目の前にサンドロックの顔があった。
思わず仰け反ろうとすると、腕をぐっと掴まれて……上手く離れられない。
「ボクも一緒に行って良いね?」
「え?…いや、その……」
「だって救急箱で誰を手当てするのかが気になるし」
「えー、あー…うん…」
そういえばウイングの自爆がどうとか、手当てしてるのが自分とか、そういうことは一切言ってなかった事を思い出す。トールギスⅢには言ってあるのだが、そこはまぁ、保護者役だからということで。
「だから良いよね?ボクが救急箱持ってきたような物だし」
「いや、そこはマグアナック隊のヒトたちが……」
「良いよね?」
「……はい」
何だか勢いに押された感じだが…。
とりあえず、デスサイズは共に来ることを了承してしまった。
了承した後で、失敗どころではなくてこれは致命傷だと気付いたが…遅い。
これはどうしようもなくマズイ。ウイングの所に行き着くまでに、一言二言話すだけでは済まないだろう。話しやすそうな相手だから、会話もさぞかし弾むだろうと予想でき……だから、それがマズイというのに。仲良くなったら困る。
なぜなら、自分は死神なのだから。
幸せになることは、本来許されない存在なのだ。
友達なんて、作ってはいけない。
ウイングのことは……放っておいたら本当に死にそうだから、放っておけないだけ。
知り合った相手を『連れて行く』のも、怖いのだから。
けれどそれをサンドロックに言えるわけもなく……デスサイズはトールギスⅢに、視線で助けを求めた…の、だが。
彼はフッと笑って、言った。
「二人で行ってくると良い。仲良くもなれるだろう」
……裏切り者ッ!
そう叫びたかったが出来るわけもなく、内心では多大な後悔をしながら、サンドロックと共に、デスサイズは部屋を出て行くこととなった。
影でトールギスⅢも頑張ってます。
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