式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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せっかくの旅行なので、のんびりしてもらうことにしました。
起きてみたら、日はかなり高いところに上っていた。
布団から起き上がった状態でワシャワシャと髪を混ぜるように頭を掻いて、しくじったと、デスサイズは一人心の中で呟いた。いくら最近『仕事』が続いていたからと言ってまさか……こんな昼間っぽい時間帯まで眠っているなんて。ふっと時計を見てみたら、時刻は午後二時。
昨日は確か、十時には眠ったはずなのだけれど。
「そんだけ疲れてたって事か……?けどな…これはな…」
明らかに眠りすぎだ。
参ったと、自分で自分に呆れながら、とりあえず時計の傍に置いてあった書き紙切れを手に取る。仲間が全員部屋にいないようだから、多分どこかへ遊びに行ったのだろうと考えられるし、だとしたら紙切れは書き置きである可能性が高かった。
そして案の定、それは書き置きで。書いてあるのは『ちょっと散策してくる』という内容。字からヘビーアームズの物だろうと推測できたがそれはおいておいて。
とりあえず……そういうことなら、きっと彼らが帰ってくるのは五時とか六時とか、そういう辺りだろう。この辺りの来訪は初めてのはずだし、散策と言ったら結構見る場所はあるのではないだろうか。
だが…そうなると。デスサイズはうむぅと腕を組んだ。
そうなると、どうしても自分が暇になってしまうのだが。
仲間たちが帰ってくるのは今から何時間も後だろうというのはもう推測できて、完全に確定しているような事態だ。だから彼らが帰ってくるまでの時間、どうにかして暇を潰さなければ退屈になってしまう。もう寝るのも飽きたし。
「……散歩、してみよっか」
ちらりとドアの方を見ながら、呟く。そういえば旅館は結構広い。
立ち上がって、着ていた服はそのままでも問題はない物だったから放っておくとして、スリッパだけはちゃんと履いて、デスサイズは部屋から出た。
それからしばらく歩いてみて…本当に色々な物が見れた。自動販売機の場所、食堂の場所、レクリエーションを主に取り扱っている様子の部屋とか。ここには本当に色々な私設があるらしい。サービスの良いことだ。
…と、それは良いのだが。
旅館は、結構広い……というか、広すぎた。
「…ここ、どこだろーな…?」
冷や汗を流しながら、デスサイズは辺りを見渡した。
周りにあるのは部屋。けれども、間違いなくこの辺りは違う。絶対に、自分たちが泊まっている部屋の近くではない。何で分かるのかと言われても困るが、どこか違うような気がしたのである。
「……あぁ、これって迷子か……どうしよ」
自力では帰れそうにない状況に、デスサイズは少し考え……人の力を借りることにした。旅館の人が見あたらないのは残念だが、それでも、もしかしたら客の中には各部屋の場所をある程度覚えている誰かがいるかもしれない。可能性は低いけれど。
しかし、問題が一つ。
旅館の人どころか、客の姿すら見あたらないと言うことである。
これは……あれか。また彷徨えと言う天からのお達しなのだろうか……結構まじめに生きてるのにどうしてこうもこうも…神様って酷いのだろう。もう少しくらい色々と勘弁してくれても良いのではないだろうか。
はぁ、と息を吐いていたデスサイズは、そんなことを思っていたから気付かなかった。
直ぐ後ろ側にあったドアがかすかに開いたのを。
……そして。
「オイ」
「うわぁっ!?」
突然に背後から声をかけられて、デスサイズは飛び上がるほど驚いた。というか、実際に飛び上がるような気持ちだ。気持ちだけなら完全に。
バクバクと鳴っている心臓をどうにか押さえ付けて、恐る恐ると振り返ったデスサイズが最初に目にしたのは、真っ赤な目。自分も同じような色彩の瞳を持っているけれど、まさか、他の誰でも持っているとは思っていたけれど、それを実際に目にする事になるとは思っても見なかった色だった。
相手はと言うと、そちらも少し予想外ではあったのかぴくりと眉を動かし…それだけだった。大人の反応というのは、こういうのを言うのかもしれない。
それは…ともかくとして。その男の人は自分に呼びかけた。ということは用事があるということであり……それを訊くべく、恐る恐ると口を開いた。
「えっと……何か…?」
「道にでも迷ったのか」
「え?……あ、まぁそうだけど…」
「…ロビーにでも着けば後は分かるな?」
その言葉に少し驚く。それはつまり、送ってくれる、ということで。
「……良いの?見も知りもしないオレに親切にしてくれて?」
「部屋の前でうろちょろされるよりはマシだ。気配が煩ぇんだよ」
彼の言葉から、どうやら親切ではないらしい。というのが分かった。その口調は思ったことを口にしているだけの物だったから。にしても気配が煩いとは。よっぽど他人の気配に敏感な人なのだろう。
『そういう』世界の人なのだろうかと、チラリと傷がある顔を伺い見たけれど、結局は何も言わずにその人の後を着いていくことにした。
こういう憶測は、あまり好きではないから。
のんびりさせすぎた気がする…。
布団から起き上がった状態でワシャワシャと髪を混ぜるように頭を掻いて、しくじったと、デスサイズは一人心の中で呟いた。いくら最近『仕事』が続いていたからと言ってまさか……こんな昼間っぽい時間帯まで眠っているなんて。ふっと時計を見てみたら、時刻は午後二時。
昨日は確か、十時には眠ったはずなのだけれど。
「そんだけ疲れてたって事か……?けどな…これはな…」
明らかに眠りすぎだ。
参ったと、自分で自分に呆れながら、とりあえず時計の傍に置いてあった書き紙切れを手に取る。仲間が全員部屋にいないようだから、多分どこかへ遊びに行ったのだろうと考えられるし、だとしたら紙切れは書き置きである可能性が高かった。
そして案の定、それは書き置きで。書いてあるのは『ちょっと散策してくる』という内容。字からヘビーアームズの物だろうと推測できたがそれはおいておいて。
とりあえず……そういうことなら、きっと彼らが帰ってくるのは五時とか六時とか、そういう辺りだろう。この辺りの来訪は初めてのはずだし、散策と言ったら結構見る場所はあるのではないだろうか。
だが…そうなると。デスサイズはうむぅと腕を組んだ。
そうなると、どうしても自分が暇になってしまうのだが。
仲間たちが帰ってくるのは今から何時間も後だろうというのはもう推測できて、完全に確定しているような事態だ。だから彼らが帰ってくるまでの時間、どうにかして暇を潰さなければ退屈になってしまう。もう寝るのも飽きたし。
「……散歩、してみよっか」
ちらりとドアの方を見ながら、呟く。そういえば旅館は結構広い。
立ち上がって、着ていた服はそのままでも問題はない物だったから放っておくとして、スリッパだけはちゃんと履いて、デスサイズは部屋から出た。
それからしばらく歩いてみて…本当に色々な物が見れた。自動販売機の場所、食堂の場所、レクリエーションを主に取り扱っている様子の部屋とか。ここには本当に色々な私設があるらしい。サービスの良いことだ。
…と、それは良いのだが。
旅館は、結構広い……というか、広すぎた。
「…ここ、どこだろーな…?」
冷や汗を流しながら、デスサイズは辺りを見渡した。
周りにあるのは部屋。けれども、間違いなくこの辺りは違う。絶対に、自分たちが泊まっている部屋の近くではない。何で分かるのかと言われても困るが、どこか違うような気がしたのである。
「……あぁ、これって迷子か……どうしよ」
自力では帰れそうにない状況に、デスサイズは少し考え……人の力を借りることにした。旅館の人が見あたらないのは残念だが、それでも、もしかしたら客の中には各部屋の場所をある程度覚えている誰かがいるかもしれない。可能性は低いけれど。
しかし、問題が一つ。
旅館の人どころか、客の姿すら見あたらないと言うことである。
これは……あれか。また彷徨えと言う天からのお達しなのだろうか……結構まじめに生きてるのにどうしてこうもこうも…神様って酷いのだろう。もう少しくらい色々と勘弁してくれても良いのではないだろうか。
はぁ、と息を吐いていたデスサイズは、そんなことを思っていたから気付かなかった。
直ぐ後ろ側にあったドアがかすかに開いたのを。
……そして。
「オイ」
「うわぁっ!?」
突然に背後から声をかけられて、デスサイズは飛び上がるほど驚いた。というか、実際に飛び上がるような気持ちだ。気持ちだけなら完全に。
バクバクと鳴っている心臓をどうにか押さえ付けて、恐る恐ると振り返ったデスサイズが最初に目にしたのは、真っ赤な目。自分も同じような色彩の瞳を持っているけれど、まさか、他の誰でも持っているとは思っていたけれど、それを実際に目にする事になるとは思っても見なかった色だった。
相手はと言うと、そちらも少し予想外ではあったのかぴくりと眉を動かし…それだけだった。大人の反応というのは、こういうのを言うのかもしれない。
それは…ともかくとして。その男の人は自分に呼びかけた。ということは用事があるということであり……それを訊くべく、恐る恐ると口を開いた。
「えっと……何か…?」
「道にでも迷ったのか」
「え?……あ、まぁそうだけど…」
「…ロビーにでも着けば後は分かるな?」
その言葉に少し驚く。それはつまり、送ってくれる、ということで。
「……良いの?見も知りもしないオレに親切にしてくれて?」
「部屋の前でうろちょろされるよりはマシだ。気配が煩ぇんだよ」
彼の言葉から、どうやら親切ではないらしい。というのが分かった。その口調は思ったことを口にしているだけの物だったから。にしても気配が煩いとは。よっぽど他人の気配に敏感な人なのだろう。
『そういう』世界の人なのだろうかと、チラリと傷がある顔を伺い見たけれど、結局は何も言わずにその人の後を着いていくことにした。
こういう憶測は、あまり好きではないから。
のんびりさせすぎた気がする…。
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