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ちょっと曖昧な話になったかもしれません。
011:空中楼閣
「アンタもさぁ、ちょっとは恋とかやってみないの?」
「やんねぇ」
「言い切るねぇ…」
その答えは予想済みの答えだったので苦笑するに止めて、慶次は空を見上げた。
雲一つ無い晴れ。
快晴。
平和そのものの空。
これが戦国の世の空というから笑えてくる。
「でも、恋って良い物だよ?一回二回くらいやってみても良いんじゃない?」
「Ha、ならテメェの望んでる答えでもしてやろうか?」
「ふぅん…やってみなよ。誰に恋してるのさ」
「国だな」
「…アンタらしいねぇ」
国に恋する、か。
結婚も出来ないだろうに、そんな報われない恋。
まぁ、らしいといえばらしいのか。
「けれど、竜は人間に興味はないのかい?」
「ねぇわけねぇだろ?優先順位の問題だ」
「流石は国を背負う奥州筆頭ってとこか」
「そう言うテメェは国を背負う気はねぇのか」
「無いね。俺は今の自由が一番なの。分かる?」
「分かるけど分からねぇよ」
「や、その答えの方が分からない」
言いながらも、慶次は実際は何となく、政宗が言いたいことは分かっていた。
自由を好むが、自由に縛られてばかりではいられない。
国を背負う者の宿命とでもいうのか。
……だから国のために戦うのは嫌なんだ。
自分のために戦えなくなる。
色々、やっぱり戦国ですから…。
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