式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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総集編の間は、結構好きに書けるから楽です。
「地上に行くんだって、あの二人」
あの二人、というのはヒイロとカトルのことだろうか。
サンドロックの言葉を聞きながら、ヘビーアームズは思った。
まぁ、実際にあの二人くらいしか地上に行くことが出来るメンバーはいないだろう。デスサイズの所とナタクの所の二人は、宇宙にいて、地上に降りることは出来ない。ガンダム整備を完全にしないといけないから。
そして。
もう一人、行けない、人。
自分の、操縦者。
果たして彼は死んでしまったのだろうか、生きているのだろうか。
どちらにしろ、自分には分からない事だった。直ぐ側にいたならまだしも、離れてしまっていてはどうしようもない。だから、本当に生死も分からないし、生きていたのだとしてどこにいるのかも知れない。
目を閉じて思い、それから首を振って、サンドロックに改めて視線を向ける。
「……」
「…うん、分かった」
行く、という意思を視線に込めて送ると、彼はクスリと笑いながら手をこちらに差し伸べた。行こう、ということだろう。
ふ、と笑んで、ヘビーアームズはその手を取った。
「じゃあそうだね…まずは僕らが先に地上に行っておこうか。別に二人の傍にいる必要もないからね、今は。自由行動ってどうかな。精神体を実体にしておけば人間同然の見た目だし問題ないよね。…まぁ、見た目がちょっと目立つけど」
「……」
「うん、でしょう?でもそういえばお金とか無いよね…ふらふらするだけかな」
それはそれで味気ないような気がするけれど。
肩をすくめる彼に、ヘビーアームズは、す、と衣類のポケットの中からコインを取り出して渡した。
それは、コインと言うべきか…金、というものであって。
思わず、と言った様子でサンドロックが目を丸くした。
「…それ、どこで?」
「……」
「…あぁ、あのおじいさんたちからくすねた…ってくすねたぁ!?」
「……」
驚愕に揺れる彼の瞳を見ながらも、ヘビーアームズはさらにこくりと頷いた。だって本当のことだから仕方がない。それに、この程度のことはあの老人たちがやってきたことと比べたら可愛い物だ。
実際、そんな感じのイタズラとして彼らは捉えているようで、ばれているようだったけれども何も言われなかった。気にしていられないというのもあるのかもしれない、が。
……どうせなら、もっとたくさん奪ってくれば良かっただろうか。
内心で割と本気でそんなことを思いながら、今度はこちらから引っ張るようにサンドロックの腕を引いた。
「あ、行くの?」
「…」
「あはは…だね、先に言ったのは僕だよね」
「……」
「んーっとね…そうだね、そういえば」
行き先は?と視線で問うと、彼は少し考えた様子でそうだ、と手を打った。
「サンクキングダムって知ってる?」
「……」
「だよね、作戦に関係ないし知らないよね。僕もさっき、暇つぶしにハッキング紛いの情報収集やってたらね、偶然見つけたんだ」
ハッキング紛いなんて聞き捨ててはいけないような気がする言葉が出たが、そこにはあえて触れないことにした。どうせ自分だって同じようなことは出来るし、暇つぶしで行っていたりもする。
これは、あの老人たちを『親』として持ってしまったことが一番の問題だろう。あんなのを『親』にしていて、良い影響があるわけでもないだろう。そんなこんなで悪影響ばかり受けてしまっているのだった。
…家出、するべきだったかもしれない。
そんなことをしたら、作戦が決行すら出来ないけれど。
もしかしたらそれが、一番平和な選択だったのかも知れない。
正しいとも、言い切ることは出来ないけれども。
「じゃあ、今度こそ本当に行こうか」
「……」
「うん、そうかもしれないね」
微笑んで、サンドロックはヘビーアームズの視線に答えた。
「地上で、偶然二人を目にすることがあるかも知れないね」
…もしもそれが本当にあったら、とても凄いことなのだろう。
けれど、そういう偶然があったら良い、とも思ったのだ。
やっぱ、戦うことが目的として作られた彼らだから、完全平和って興味あると思うんですよ。
あの二人、というのはヒイロとカトルのことだろうか。
サンドロックの言葉を聞きながら、ヘビーアームズは思った。
まぁ、実際にあの二人くらいしか地上に行くことが出来るメンバーはいないだろう。デスサイズの所とナタクの所の二人は、宇宙にいて、地上に降りることは出来ない。ガンダム整備を完全にしないといけないから。
そして。
もう一人、行けない、人。
自分の、操縦者。
果たして彼は死んでしまったのだろうか、生きているのだろうか。
どちらにしろ、自分には分からない事だった。直ぐ側にいたならまだしも、離れてしまっていてはどうしようもない。だから、本当に生死も分からないし、生きていたのだとしてどこにいるのかも知れない。
目を閉じて思い、それから首を振って、サンドロックに改めて視線を向ける。
「……」
「…うん、分かった」
行く、という意思を視線に込めて送ると、彼はクスリと笑いながら手をこちらに差し伸べた。行こう、ということだろう。
ふ、と笑んで、ヘビーアームズはその手を取った。
「じゃあそうだね…まずは僕らが先に地上に行っておこうか。別に二人の傍にいる必要もないからね、今は。自由行動ってどうかな。精神体を実体にしておけば人間同然の見た目だし問題ないよね。…まぁ、見た目がちょっと目立つけど」
「……」
「うん、でしょう?でもそういえばお金とか無いよね…ふらふらするだけかな」
それはそれで味気ないような気がするけれど。
肩をすくめる彼に、ヘビーアームズは、す、と衣類のポケットの中からコインを取り出して渡した。
それは、コインと言うべきか…金、というものであって。
思わず、と言った様子でサンドロックが目を丸くした。
「…それ、どこで?」
「……」
「…あぁ、あのおじいさんたちからくすねた…ってくすねたぁ!?」
「……」
驚愕に揺れる彼の瞳を見ながらも、ヘビーアームズはさらにこくりと頷いた。だって本当のことだから仕方がない。それに、この程度のことはあの老人たちがやってきたことと比べたら可愛い物だ。
実際、そんな感じのイタズラとして彼らは捉えているようで、ばれているようだったけれども何も言われなかった。気にしていられないというのもあるのかもしれない、が。
……どうせなら、もっとたくさん奪ってくれば良かっただろうか。
内心で割と本気でそんなことを思いながら、今度はこちらから引っ張るようにサンドロックの腕を引いた。
「あ、行くの?」
「…」
「あはは…だね、先に言ったのは僕だよね」
「……」
「んーっとね…そうだね、そういえば」
行き先は?と視線で問うと、彼は少し考えた様子でそうだ、と手を打った。
「サンクキングダムって知ってる?」
「……」
「だよね、作戦に関係ないし知らないよね。僕もさっき、暇つぶしにハッキング紛いの情報収集やってたらね、偶然見つけたんだ」
ハッキング紛いなんて聞き捨ててはいけないような気がする言葉が出たが、そこにはあえて触れないことにした。どうせ自分だって同じようなことは出来るし、暇つぶしで行っていたりもする。
これは、あの老人たちを『親』として持ってしまったことが一番の問題だろう。あんなのを『親』にしていて、良い影響があるわけでもないだろう。そんなこんなで悪影響ばかり受けてしまっているのだった。
…家出、するべきだったかもしれない。
そんなことをしたら、作戦が決行すら出来ないけれど。
もしかしたらそれが、一番平和な選択だったのかも知れない。
正しいとも、言い切ることは出来ないけれども。
「じゃあ、今度こそ本当に行こうか」
「……」
「うん、そうかもしれないね」
微笑んで、サンドロックはヘビーアームズの視線に答えた。
「地上で、偶然二人を目にすることがあるかも知れないね」
…もしもそれが本当にあったら、とても凄いことなのだろう。
けれど、そういう偶然があったら良い、とも思ったのだ。
やっぱ、戦うことが目的として作られた彼らだから、完全平和って興味あると思うんですよ。
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