式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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あと一話で終わりです。もうしばらくおつきあいを願います。
「うわ!?」
と、その声は静寂が訪れた数秒後に、嵐が去った後のような室内に響き渡った。
何かと見てみれば、そこには今は無くなった扉が以前あった場所に立っている綱吉の姿。壁のせいで見えないが、獄寺と…マーモンも、いるだろう。
帰ったんじゃなかったのかと彼らを見ていると、綱吉が恐る恐ると言った様子で室内へと入ってきた。あまり、関わり合いにはなりたく無さそうである。だったら入ってくるなと思ったが、山本が倒れている時点で入ってくる以外に道はなかったのかも知れない。
そして、やはり山本の倒れている傍に、死角の部分からぞろぞろと現れてきた獄寺とマーモンと共に立ち止まり、やや顔を引き攣らせてこちらを見た。
「ねぇ、何があったの?」
「餓鬼どもが刃向かってきやがった」
「へ……へぇ…それでこの惨状なんだ…」
部屋をぐるりと見渡して息を吐く綱吉。
これを惨状と呼べるとは、まだまだ平和な所にいるらしい。
もっとも、それは属している組織としての性質の差などといった物もあるからであろうが、いい加減にヴァリアーはこんな感じだと受け入れればいいだろうに。だいたい、そちらの雲と霧の守護者のせいで、その『いつもの風景』が五割り増しくらいの『惨状』とやらになっているのだというのだし。
「…あれ、でも、何か蹴られた跡みたいなのが」
「雲雀ってトンファー以外に攻撃手段、使うんでしょうかね?」
「うーん…たまには使う…のかな。見たことある?獄寺君」
「生憎と。十代目は?」
「俺も見たこと無いかな…マーモンは?」
「いやね、綱吉」
少し呆れたように、マーモンは口を開いた。
「仮に雲雀恭弥が蹴ったんだとしてもさ、ちょっと問題があるよ」
「え?何?」
「靴の大きさ」
「…あ」
その通り、確かに山本に付いている蹴りの跡というのは靴の裏がめり込んだかのようなものであって……まぁ、実際、思った以上にめり込んだが……それを見れば否が応でも分かるという物であろう。誰が何をやったのか。
果たして、ボンゴレ十代目は理解したらしい。
勢いよく顔をこちらに向けて、咎めるような視線を送ってきた。
「ザンザス…」
「どうかしたか」
「どうしてそう、さぁ…仲良くしようよ」
「誰がするか、ンな事」
ボンゴレ守護者と仲良く?そんな薄ら寒い事が出来るわけがないだろう。仲良しこよしというのはあまり好きではないのである。
…今の、この現状を見られて、その主張を言い切る自信は流石にないが。
これだけ気配が騒騒しくなってなお起きもしない次席をちらりと見て、改めて綱吉たちの方を見る。そして、どうしてここにいるのかと、問う。
すると返ってきたのは質問だった。
「ルッスーリア、どこにいるか知らない?」
「…?どういうことだ?アイツは今日は一日中本部にいるはずだが」
「それがね、ボス……ルッスさ、」
やや恨めしそうに、マーモンが言った。
「逃げた、みたい」
「…ほぉ」
「少なくとも僕よりも先見の明があったみたいだね…そこは認めないと…………だからお願いだからボス、右手上げないで炎灯さないでっ!?」
「……フン」
鼻で笑って腕を下ろし、腕を組むと、途端にホッとした表情になる赤ん坊に、嵐の守護者は不思議そうな表情を浮かべた。どうしてここまで怯えているのかと、訝しく思ったのだろう。
「テメェ、何やらかそうとしたんだ?」
「…雲雀恭弥とクローム髑髏に飲ませちゃった薬ね、最初はボスとスクアーロに飲んでもらおうと思ってたんだよね……ルッスーリアも共犯」
「…あぁ、そういうことなんだ」
「だから無休って…ある意味すげぇ」
「オイ、テメェら話が終わりならこの馬鹿ども連れてとっとと行け」
「あ、うん、そうだね。じゃあ、マーモン借りてくよ」
それじゃあね、と獄寺と手分けして山本とディーノ(そういえば、来た意味が一番無いのはこいつだろう。ただ殴られ気絶しただけなのだから)を連れて去っていく背中を見送るでもなく、ザンザスは未だに起きようとしない鮫と、子供たちを見やった。
何時になったら起きるのだろう。彼らが起きないと自分が動けない。
などと思い、思ってしまったことに対して思わず顔を顰める。
あぁ、本当に、気に入らない。
ボス何やってるんだろう…山本ごめんね…。
と、その声は静寂が訪れた数秒後に、嵐が去った後のような室内に響き渡った。
何かと見てみれば、そこには今は無くなった扉が以前あった場所に立っている綱吉の姿。壁のせいで見えないが、獄寺と…マーモンも、いるだろう。
帰ったんじゃなかったのかと彼らを見ていると、綱吉が恐る恐ると言った様子で室内へと入ってきた。あまり、関わり合いにはなりたく無さそうである。だったら入ってくるなと思ったが、山本が倒れている時点で入ってくる以外に道はなかったのかも知れない。
そして、やはり山本の倒れている傍に、死角の部分からぞろぞろと現れてきた獄寺とマーモンと共に立ち止まり、やや顔を引き攣らせてこちらを見た。
「ねぇ、何があったの?」
「餓鬼どもが刃向かってきやがった」
「へ……へぇ…それでこの惨状なんだ…」
部屋をぐるりと見渡して息を吐く綱吉。
これを惨状と呼べるとは、まだまだ平和な所にいるらしい。
もっとも、それは属している組織としての性質の差などといった物もあるからであろうが、いい加減にヴァリアーはこんな感じだと受け入れればいいだろうに。だいたい、そちらの雲と霧の守護者のせいで、その『いつもの風景』が五割り増しくらいの『惨状』とやらになっているのだというのだし。
「…あれ、でも、何か蹴られた跡みたいなのが」
「雲雀ってトンファー以外に攻撃手段、使うんでしょうかね?」
「うーん…たまには使う…のかな。見たことある?獄寺君」
「生憎と。十代目は?」
「俺も見たこと無いかな…マーモンは?」
「いやね、綱吉」
少し呆れたように、マーモンは口を開いた。
「仮に雲雀恭弥が蹴ったんだとしてもさ、ちょっと問題があるよ」
「え?何?」
「靴の大きさ」
「…あ」
その通り、確かに山本に付いている蹴りの跡というのは靴の裏がめり込んだかのようなものであって……まぁ、実際、思った以上にめり込んだが……それを見れば否が応でも分かるという物であろう。誰が何をやったのか。
果たして、ボンゴレ十代目は理解したらしい。
勢いよく顔をこちらに向けて、咎めるような視線を送ってきた。
「ザンザス…」
「どうかしたか」
「どうしてそう、さぁ…仲良くしようよ」
「誰がするか、ンな事」
ボンゴレ守護者と仲良く?そんな薄ら寒い事が出来るわけがないだろう。仲良しこよしというのはあまり好きではないのである。
…今の、この現状を見られて、その主張を言い切る自信は流石にないが。
これだけ気配が騒騒しくなってなお起きもしない次席をちらりと見て、改めて綱吉たちの方を見る。そして、どうしてここにいるのかと、問う。
すると返ってきたのは質問だった。
「ルッスーリア、どこにいるか知らない?」
「…?どういうことだ?アイツは今日は一日中本部にいるはずだが」
「それがね、ボス……ルッスさ、」
やや恨めしそうに、マーモンが言った。
「逃げた、みたい」
「…ほぉ」
「少なくとも僕よりも先見の明があったみたいだね…そこは認めないと…………だからお願いだからボス、右手上げないで炎灯さないでっ!?」
「……フン」
鼻で笑って腕を下ろし、腕を組むと、途端にホッとした表情になる赤ん坊に、嵐の守護者は不思議そうな表情を浮かべた。どうしてここまで怯えているのかと、訝しく思ったのだろう。
「テメェ、何やらかそうとしたんだ?」
「…雲雀恭弥とクローム髑髏に飲ませちゃった薬ね、最初はボスとスクアーロに飲んでもらおうと思ってたんだよね……ルッスーリアも共犯」
「…あぁ、そういうことなんだ」
「だから無休って…ある意味すげぇ」
「オイ、テメェら話が終わりならこの馬鹿ども連れてとっとと行け」
「あ、うん、そうだね。じゃあ、マーモン借りてくよ」
それじゃあね、と獄寺と手分けして山本とディーノ(そういえば、来た意味が一番無いのはこいつだろう。ただ殴られ気絶しただけなのだから)を連れて去っていく背中を見送るでもなく、ザンザスは未だに起きようとしない鮫と、子供たちを見やった。
何時になったら起きるのだろう。彼らが起きないと自分が動けない。
などと思い、思ってしまったことに対して思わず顔を顰める。
あぁ、本当に、気に入らない。
ボス何やってるんだろう…山本ごめんね…。
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