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実はtype4のお題の12と14の間が空いてましたって話です。
…順番にってのを心掛けてはいるのだけど…。
073:天衣無縫
「政宗ー、海行こうぜ」
「却下」
「何でだよ」
「外見ろ外」
そう言われたので外を見て、再び政宗の方を向く。
「で?」
「雨降ってんだろうが…ったく、こんな時に海なんて誰が思うかよ」
「俺が思ってるぜ」
「テメェだけだろうが。てか、俺を連れ出したいなら小十郎を説得しろ」
「…いや、それは」
絶対無理だと思うのだが。
それを実際に実行してしまったときの自分のなれの果てが浮かんでくるようで、本当に強制されまいかと少しばかり冷や汗をかいていると、フッと笑って彼は肩をすくめた。
「安心しな、俺だってお前を見殺しにするようなことはしねーよ」
「どうだか。そういう風に約束した後に手のひら返されたこと、結構あったと思うんだけどよ、そこんとこはどうなんで?」
「んな事無かった、それだけだろ」
「そりゃまた」
物凄い横暴で。
思わず口笛でも吹いてやりたい気分になったが、何をしたとしても彼に一矢報いるのは無理だろうと思い、止めた。というか、やったりしたらまず自分の安全が危ないことになるに違いないのだ。武器もない状態で竜を不機嫌にする気はない。
だが言いたいことだけは分かったようで、政宗は元親の方に何も入っていない硯を投げつけてきた。避けようと思えば避けれる速さだったが、恐らく避けたらもっと別の物が飛んでくるのだろう。
そんなわけなので。
避けもせず当たりもせず、元親は硯を受け止めた。
「ぶつかれよ、つまらねぇ」
「や、お前の暇つぶしのために怪我すんのもアレだし」
雨の日の海ってどんなんだろう…。なんか濡れそう…。
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