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実際にこんな掃除があったら怖いよ。
087:只今掃除中
「……何やってんだ?」
「見て分からないか?掃除だ」
「いや、俺が言いたいのは、何を掃除してるのか、なんだけどな」
「それこそ一目瞭然だろう?」
雑巾の先に付いているモップみたいなのを動かす手を止めて、ラルは獄寺を見た。
「血だ」
「具体的に誰のだよ」
「さてな」
知らない方が良いこともあるんだぞ?
そう言外に言って微笑んでやると、どこか薄ら寒そうな表情で、獄寺がすっと視線を逸らした。対してラルは、失礼な、と思いはしたが結局何も口にはしなかった。何というか、自分で微笑んでおいて何ではあるのだが……どうしても彼の気持ちが分かってしまうのである。
日頃の行いは大切だな。そう思いながらようやくこちらを見た彼に、足下にあるバケツを指し示す。
「水を汲んできてくれないか?」
「お前、俺が仕事してるとか思わねぇのか?」
「すまないな。明らかに暇そうだったからついその可能性を失念していた。というか……実際に暇だろう?」
「何で分かんだよ」
「見ればこのくらいは簡単に分かるぞ」
むしろ分からない方が自分としては不思議だ。
腕を組みそう思いながら答えると、どこか諦めたような表情をされた。思わずムッとした表情を作る。何で損な表情をされなければならない。
「…まぁ良い。とりあえず行け」
「ったく…しゃーねーな」
「行く途中で動かない物体が見つかったら蹴っておけ」
「…それは遠慮するぜ」
何を誰がやったんだろうね!
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