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個の人が出てきた時点で最早「並盛」っていうより「ボンゴレ」ですかね。
並盛中七不思議
一、壁に刺さったナイフ
二、どこからともなく現れる男
三、一夜で消える体育館
四、消える少女
五、呪いのバット
六、響く悲鳴
七、生徒を吸い込む壁
「……以上が七不思議なわけです」
「そーか。んで、何で俺が巻き込まれてんだぁ?」
「一人が怖かったんです」
「…それだけ?」
「それだけです」
「…まぁ……いいけどよぉ」
ぽりぽりと頭をかいて、さほど興味もなさそうに無人の校舎を見やる彼を、今日ばかりは綱吉は何よりも頼れる存在だと思っていた。どれほど怖い相手なのかは、ちょっと前に嫌というほどよくよく知らされてはいるけれど。
それでも、一人ではないという事実はとてもありがたい物だった。
今日に限って獄寺も山本も用事があるというから、本当に一人で回る事になりかねなかったのでなおさらに。
しかし…泣きついたのは自分だが、まさか本当について来てくれるとは思わなかった。自分でどうにかしろとか、そんなの知るかとか、そういった厳しい言葉が返ってくると思っていたのに実際はそんなことは無かった。呆れたような表情を浮かべ、仕方ないと言いながら、ついて来ることを了承してくれたのである。
意外と面倒見とか良いのかもしれない。
ちなみにどうして彼がここにいるのか。それはどうやらかの王子を回収に来たかららしい。他の任務もあるらしいのに……大変な話だ。
その大変さに、泣きつく事で拍車をかけてしまった感は否めないのだが、まぁ……ごめんなさいと謝っておく事にしよう。
「つーかよぉ」
閉まっている校門をひょいと乗り越えながら彼…スペルビ・スクアーロは口を開いた。
「二、三くれぇ何かオチが予測できそうなモンがある気がすんだが?」
「それはその…俺も思ったんですけど、確認して来いって………リボーンが」
「あのアルコバレーノかぁ…来てんのか?」
「いえ、眠いからって…」
「…お前も苦労してんなぁ……」
「まぁ…そこそこには」
苦笑を浮かべて、綱吉も門の内側に入る。
そうして見渡した誰もいない校庭はやけに不自然な感じがして、きっと無人の校内はとても不気味なのだろうなとも予測づいて、ぶるりと体を振るわせる。リボーンから聴いた話の中には理科室関係の物が無かったのが、せめてもの救いだろうか。
…一番の救いは一人出ないことかもしれないけど。
「あ、そうだ」
そんなことを思いながら、ふいに思い出した事があった。家を出る前に、リボーンに言われていた注意事項なのだけれど。
突然声を上げた自分に訝しげな視線を向けるスクアーロに、最強の赤ん坊であり家庭教師である彼から告げられた言葉を、綱吉は伝える事にした。
「一番目の七不思議は昼間に分かったから置いておいて、二つ目の…どこからともなく現れる男、っていうのは確認しなくて良いってリボーンが言ってました」
「良いって…何だそりゃ」
「これに関してはオチをもう聞いてるんですけど、その男の正体…ランボだそうです」
「ランボって…アイツかぁ?レヴィと戦ったあの」
「えぇ。何でも、アイツが勝手に学校までついて来たとき、何の弾みか十年後バズーカを撃っちゃったらしくて。その時に偶然傍を通りかかった生徒がいたそうで、そのせいで七不思議にされたとか」
「…まぁ、何も知らねぇヤツらから見れば…どこからともなく出てきたように見えなくも……ねぇか…?」
「でしょう?」
首をひねる彼に答えつつ、このネタバレについて思う。
きっと、こればかりはいくら探ってみても分からないし見つからないから、仕方ないと事前に話されたのだろう。七不思議の種の一つは、今も自分の家でぐーすかと眠りこけているに決まっているのだ。
ため息を吐きながら、綱吉はスクアーロと共に体育館へ向かう。
二番目はオチを教えてもらったが、三番目は教えてもらっていない。だから、確かめにいかなければならないのだ。
…調べるまでも無くリボーンは全部知っているのだろうとか、何となくオチが見えるような気がするとか、そういう事は全部お構いなしに。
憂鬱にため息を吐いたら同情の視線が送られた。
でも舞台が並中なのでカテゴリは並中です。