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いい加減にカテゴリーを整頓しないといけない気がする…。
018:一望千里
「上総之助様」
城の最上階より下を見下ろす夫に、静かに声をかける。
「その場より、何が見えるのですか」
「そなたが答えてみよ」
「貴方様が治めるべき地でございます」
「中々に良い返事だ」
その言葉には感謝を込めた沈黙でもって返し、足音も立てずに信長の少し後ろ側へと歩み寄る。やや後ろにいようと、外の景色はよく見えた。
この城以上に高い建物を辺りに持たない土地は、酷く遠くまでもが見通せる。広い広い、広大な土地。しかし今見えるその広さですら、この国の何割かにしか満たない。それ程までに世界という物は大きい。
しかし、その日本という国がいずれ信長の物になると考えれば。
それは、とても素晴らしいことだと自分は思う。
そして、そのために自分たちは働く。
今までも。
これからも。
誰にだって邪魔をさせてなどやるものか。日本を統べるに相応しきは直ぐ側にいる彼以外にはおらず、それこそが間違いようのない事実なのだから。
だから、これからも、これまでも。
敵は、全て蹴散らそう。
どんな相手だろうと関係はない。信長の敵であるという事実がそこにあるのなら、誰だって無慈悲に無条理に殺して見せよう。たとえ、それに自分の名前が挙げられる日がこようとも、その時は素直に命を絶とう。
全ては彼に天下を取らせるために。
自分は、どのような努力も惜しみなどしない。
絶対に。
このくらいの意気なんだろうなぁ…とか。
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