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009:おひるごはん
ふ、と。
何となく思いついたとばかりに彼がそれを口にしたのは、夕食を食べ終わって部屋に戻って、さぁのんびりしようという瞬間だった。
「そういえば佐助、夕食の後のでざーとは無いのか?」
「んなモン普通にありません。……っていうか旦那さぁ……こっち来てから甘い物食べてばっかでしょ?少しくらい抑えたらどう?」
「無理だ!」
「こらこら、断言しない」
苦笑を浮かべながら幸村の頭を軽く小突いて、そういえば、と話を変える事にする。理由はとても簡単なもので、とっととこの話題を切り上げないと十中八九、じゃあ買って来いだのじゃあ作れだの、はた迷惑なお願いなのか命令なのか分からない言葉をもらう事になってしまうから。
旅行に来てまでそんな目に陥るのはごめんだと、彼の興味を引けそうな話題を頭の中から引っ張り出して、口にする。
「そういえば昼とかさ、何か見た顔がぞろぞろといたよねぇ」
「昼……と言ったら、某が昼食を食べていた時だな……見た顔?そんな方々がいたのか?」
……そして返ってきた言葉に、思わず脱力した。
何で気付いていないのだろう。あの、個性豊かで仕方のない顔ぶれに。視界の端に映っただけでも気付けるんじゃないだろうかと言うほどに、自分と言う物を主張し過ぎているあのメンバーに……何で気付けないのだろう。
と、いうか。昼食とか言っているけれども、あれを昼食と認めてやる事は、残念ながら自分には出来ない。みたらし団子に杏仁豆腐に抹茶ソフトクリームに苺ゼリーにカスタードプリンに林檎パイに……あれらは全部、どれだけ量を食べたとしても、食べた時間帯が正午だったとしても、とにかく昼食とは呼べない。普通は普通に甘味と呼ぶのだ。
「旦那……食べるのに集中するのもいいけれどね……や、良くないんだけどね……あれには気付こうよ。……流石にね?」
「む……して、佐助よ、一体どのような方々がおられたのだ?」
「俺様も見た瞬間に慌てて眼を逸らしちゃったから全員は見えてないんだけどさぁ」
何でこの時期にこっちに来てるのだと心の中でぼやきながら、言葉を続ける。
「少なくともそうだね……ザビーとか、本願寺とかがいた、っけなぁ……」
そしてさらに混沌としていく予感ですが……どーなるかなぁ。
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