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「しょくざい」って打って一番最初に出たのが「食材」だったのは、当たり前な事ですかね?
と、まぁ、そんな話は関係なく、暗めな市さんのお話です。
06:贖罪
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
泣きながら、少女は言う。
ごめんなさい、止められなくてごめんなさい。止められないのに生きていてごめんなさい。何もできないのに死んでいなくてごめんなさい。私に意味なんて無いのにここにいてごめんなさい。ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。本当に、ごめんなさい。私が、私が出来なかったからいけなかったの。分かってる。分かってるから。だから、謝るしかない私を許してとは言わないから、せめて、謝らせて。
ごめんなさい。
そう言って、少女は両手で手を覆った。
私が、兄を 事が出来れば良かったのに。そうすれば、こんなことにはならなかったのに。今の用になる前に、止められれば良かったのに。それがきっと、私が生まれてきた理由だった。なのに、私は、それができなかった。だから貴方達はそんな風になってしまった。恨んでくれていい。怒ってくれていい。貴方達にはその権利があるから。私にはそれを受け止める義務があるから、どうぞ、気が済むままに叫んでくれていいの。代わりに私は何度でも言うの。ごめんなさい。ごめんなさい。
私が、 を殺していればよかったのに。
そうすれば貴方達はそんな風にならなかったのに。
私が意気地無しだったばかりに、貴方達はそんな風になってしまった。
そして、私には勇気が無いから、きっとあなたたちの様な人がもっと増えるでしょう。
その度に、私は謝ると思う。貴方達が、貴方達の仲間になる人たちが、それで満足するとは思えなくても、私は謝るしかないの。
何度も何度も。
貴方達がいる限り。
こんな私で、ごめんなさい。
本当に、ごめんなさい。
早いうちに、私が兄さえ殺していればよかったのにね。
この後、長政さまが来て慰めてくれるのだと思われ。
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