式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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というわけでクリスマスネタ。まだ早いけどね。
クリスマス、という行事がある。
それは三璃紗においてはそれほど主要な行事では無いのだが、しかし、何故だかこの場所ではやけに知られている……否、何故だか、という言葉は正しくない。理由は簡単、全ての元凶が何者なのか、この場所に属するものならば誰もが知っているからだ。
そして。
「……あー、何でクリスマスなんてあるのかなぁ……リア充みんな爆発すればいいのに。っていうか何なら僕が爆発させに行くのに……あーあ、クリスマス爆発しないかなぁ」
今日もその『元凶』は絶好調で、何やらどんよりと暗く思いオーラを纏いながらブツブツと呟きを零しつつ目の前を通り過ぎて行った。
憂鬱さがにじみ出ているその背を見送りながら、息を吐く。
何でも、クリスマスというのは恋人や家族と共に過ごす日の事を指すんだとかで、そうやって現実で幸せを甘受している物をリア充と言うらしい。
正直……あまり知りたい類の知識では無かったのだが、彼と関わっているうちに、自然とそういった情報をすりこまれてしまっていた。お陰で、かつては外国語か何かなのではないかと思っていた彼の言葉も、おおよその意味をくみ取れるに様になってしまっていて、それに気付いた時は少し衝撃を受けた。人は状況に慣れる物とは言うが、それにしても慣れ過ぎではないだろうかと、その時思った事は今でもしっかりと思い出せる。
もっとも、彼からの擦りこみによって一番被害を受けているのは自分では無いのだし、未だ現状を嘆くべきではないのかもしれない。
……いや、やはり嘆くべきか。
脳裏に『一番の被害者』の姿を思い浮かべて息を吐き、いつまでも廊下で立ち止まっているのも何だと思って、一歩、足を踏み出す。
こういう時、この国はどこへ行ってしまうのだろうと思う事がある。これが、かつて理想と描かれた国のあり様でない事は分かるのだが、どうやったら歯止めが効くのかが分からない。それは、酷く口惜しい事だ。
それでも、いや、だからこそ、自分はここにいるのだ。
少しでも、マシな方向へ流れが向かう様に。
もっとも、そんな自分の思いがどれ程の影響力を持っているのかなんて、分かるわけが無いのだが……だとしても。
諦める事だけはしてはならないと、そう思いながら廊下を後にした。
語り手は程イクさん、なつもり。
最後がシリアスっぽく見えるかもしれないけれど、しかし何かが違うシリアスになってたら幸いです。
ちなみに一番の被害者=曹丕。
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