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今月のガンダムAを読んで、あんまりにも衝撃的だったので。

元ネタはガンダムWの四コマです。そこでとある人物っていうかとあるMSがとんでもないことになってたんですよ。
だから思わず衝動的に。





 似合うか、似合わないか。
 服とは恐らく、ただそれだけのものなのだろう。
 男物に女物、大人の物に子供の物。服は、確かに色々とカテゴリー分けされてはいる。けれども、男物が女性にあわないと言うわけでもないし、女物を着こなせる男性だっている。大人なのに子供向けの服の方がピッタリと言う人もいるかもしれないし、子供なのに大人の服の方が相応しい人だって、いないとは言えないはずだ。
 それに、組み合わせによっては、似合わないと思っていた服だって……案外、着れた物になったりも、するわけである。
 けれども。
 どれほど組み合わせを考えたって、どれほど努力をしたって、どうしようもならない事だって存在するのだろう。零に零を足したって零のままである様に、それはもう、きっと、何をやってもままならない物なのだ。
 そう。それは、仕方のない事。
 だからもうどうしようもなくて、何もしようが無くて、手のつけようも無くて……
「ふっ……あ、は、はは、はははははははははははははははっ!」
 と。
 唐突に聞こえてきた大爆笑に、ヘビーアームズは混沌とした思考の海から引き戻された。
 目の前の光景から受けた衝撃があんまりにも大きすぎたせいで、思わず現実から逃げていたらしい。軽く頭を振って、改めて現状を……他メンバーのリアクションを、確認する。
 まず。大声で笑っているのはデスサイズだった。耐えていたけれど耐えきれず、全てが一気に噴き出してしまった、といった感じに腹を抱えて笑い続けている。
「…く…くくっ……ど、どうしたのそれ……はは……っ」
 彼の大爆笑によって硬直が解けたらしいサンドロックは、笑いを堪えるのを見事に失敗していた。それでもどうにか耐えようとしているのだろう、顔が妙な感じに引きつっているのが見て取れる。
「事情を聞かせろ」
 発言だけ聞けばまだ通常通りに見えるのが、ウイングである。……が、彼と手、口元を右手で覆っていたり、対象から視線を逸らしていたり、若干肩が震えていたりしている。実は思いっきり影響を受けてしまっている一人だった。
 自分はと言うと、目の前の子の光景を目にした瞬間、とっさに仮面を変えた。顔の半分しか覆えない物では無くて、全体を隠せるタイプの物に。理由は当然、顔を見られたくなかったからである。自分だって他の三人同様、あんまり耐えられている気はしないものだから。
 そして。
 自分たちの笑いの原因であるナタクは、ちょっとばかし不機嫌そうに、腕を組んでこちらを睨んでいた。
 ちなみに服装はドレスである。
 しかもウェディングドレスで、ブーケ付き。
 そして、ここが一番重要なのだが……全然似合っていない。そしてそれを、彼自身、しっかりと自覚している様なのである。不機嫌さの四割くらいは、その辺りが原因なのではないかと、自分は踏んでいるのだけれど。
 なのに、それでもそんな恰好をしている彼。
 ……何があったのかと、問いたくもなるだろう。
「ははっ……しっかし、本当、どうしたんだよお前。ウイングとサンドロックじゃないけどさ、それ、やっぱ、かなり気になるんだけど」
 どうにか笑いの発作を止められたらしい。笑い過ぎのためか若干涙目の死神は、目元をぬぐいながら、ドレス姿の彼の方を見た。
 対して質問を受けたナタクは、つい、と視線を逸らした。
「……色々とな」
「その色々を是非とも聞かせて欲しい物だが」
「……まぁ、あまり語りたくない部類の話だと思うから、無理強いはしないけど」
『それが無難だと思う』
 サンドロックの言葉に同意を返し、仮面を外す。そろそろこれが無くても大丈夫になってきた頃合いである。
 事情を言わせられない空気になってしまった事に対してか、少し不服そうな表情を見せていたウイングは、小さく息を吐いた。この場で問い詰めるのは諦めたらしい。
 代わりの様に、別の事を尋ねた。
「……で、いつまでそのドレス着てるつもりなんだ」
「出来るなら今すぐ脱ぎたいが、どうしたらいいのかイマイチ分からん。脱ぎ捨てて良い物なのか?」
「ンな事言われてもオレだって分かんないっての。……とりあえず皺にならないようにしとこうか。……ところで、それ、どっかに返さないといけない系?」
 首を傾げるデスサイズに、ナタクは首を横に振って応じた。
「いや、そんな話は聞いていないが」
「じゃあ保管しといた方がいいかもな。念のため」
「あぁ、なら、そうしておいてくれ」
「ん、分かった」
 頷く死神を眺めながら、天使がポツリと呟いた。
「しかしドレスなんて持っていてどうする……?」
『あれは流石に、何もしようが無い。しまっておいた方がいいと思う』
「だね。ちゃんと畳んで片付けとこう」
 ……かくして、件のドレスは押入れの中に厳重に封印されることが決定したのだった。







改めて。
元ネタは、ガンダムAにのってたWの四コマです。フルカラー劇場全然関係ないです。
でも、何かやらないといけない気がしたんです。
だってナタクのドレス姿……ウェディングだと思うんだけどなぁあれ。ブーケっぽいの持ってたし。ベールがあったら完璧だったんだけど、そういえば、それは無かった気がする。

花嫁姿とか言われて結婚式で弟たちに色々言ってたGP家長男の事を思い出したのは内緒。
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