詩的20のお題 04：あなたが残したもの

あけましておめでとうございます。
時間帯的にちょっと遅いけどね……まぁ、そこはその、ごめんなさいです…。

今回はデュラで、平和島兄弟です。久々。

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04：あなたが残したもの　　　（DR：いろいろ）
 
 
 
「あけましておめでとう」
　玄関の扉を開けた先、紙袋を左手で持って立っていた幽は、そう言って右手を上げた。
「おう。……仕事は大丈夫なのか？」
　弟に、同じように右手を上げて応じ、眉を寄せながら尋ねる。確かに今は年始だけれども、幽には、そんな事が関係ないくらい忙しい時があったりもするのだ。ならばこの来訪はどうなのだろうと、少し心配になったっておかしく無いだろう。
　こちらのそんな懸念を、けれども弟は首を縦に振って払った。
「うん、今日は休み。仕事は明日からになるらしくて、ちょっと寄って行こうと思ったんだ。もしかして、邪魔だった？　用事があったとか」
「ンな事はねぇよ。俺も今日は休みだ。仕事は昨日までで、今年は四日からだな」
「ふぅん……じゃあ、家にも戻りなよ。こっちに来る前に帰ったら、早く帰れって伝えてって、父さんと母さんに言われたし」
「んじゃ、明日帰るかな……今日はもう家から出る気になれねぇ」
「それで良いと思う」
　などという会話をしている間に自分と弟は部屋の中、小さな机を挟んで床に座っていた。
　紙袋を机の傍に置く幽を眺めながら、静雄は頬杖をついた。
　……改めて思うが、本当に久しぶりだ。顔だけなら、テレビや雑誌やポスター等々、いくらでも目にする機会がある。けれどもこうして、目の前に、手を伸ばせば触れられる距離で会えるのは、そう滅多にある事では無い。
　こうして会うのは、一体何か月ぶりだろう。二ヶ月くらいは確実に会っていないが。
「大晦日はどうしてた？」
「ん？　あぁ、そうだな……仕事が終わった後にトムさんがここに寄って、年越し蕎麦作ってくれて二人で食ったな。正月に食えって、餅も置いてってくれてよ……今は冷蔵庫の中に放りこんでんな」
「そっか。餅はどう？　一人で食べきるには多い？」
「それほどでもねぇよ」
「じゃあ、プリンとか置いて行っても大丈夫？」
「それは別腹だからどうとでもなるな……ってことは、その紙袋」
「兄さんの思ってる通りだよ。もらったんだけど、一人じゃ食べきれないから、お裾分け」
　どう？　と、あまり表情を動かさずに尋ねてくる弟に、苦笑を返す。
「どう、って言われてもな。初めから、断ったりなんてしねぇよ」

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トムさんは何か色々くれそうですよね。餅だけじゃなくて大根とかそういうの。