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佐助にドンマイと言ってあげたい結果になりました。
ゴメン佐助…。



 これは、惨状と呼ぶに相応しい光景ではないだろうか。
 少なくとも、佐助にとっては悪夢以外の何者でもないだろう。店の入り口辺りで、胃の辺りを押さえている商店従業員の中で唯一の常識人を見て思う。
 いつきは、しっかりと働いている。元がそういう性格であったのだろうし、何より今は自分という『竜』がいる。『雪女』である彼女だし、やはりここはしっかりと良いところを見せようと張り切る場面だろう。
 が。
 問題は、残りの余計なのだった。
 まず、慶次は接客をしてるといえばしている……のかもしれないが、あれはどこからどう見たところで女性を口説いているようにしか見えない。実際、働いてはいないようだからしっかりと仕事を放棄していると見て良い。
 それから、元就、は。
 ちら、と直ぐ側にあった横長の椅子に座っている元就を見て、息。
「元就、何で店のもん食ってんだよ」
「案ずることはない。料金は払う」
「いや、そこは心配してねぇけどな」
「我はまだ良い方であろう。店の売り上げに貢献しておるのだからな。だが」
 す、と目を細め、元就は口の端を上げた。
「あのバカ鬼は見事に考え無しではないか」
「そりゃまぁ、今回は否定できねぇっていうか……楽しそうだなー、オイ」
 元親は、たたき売りをしていた。つまりは安売り。
 ただし、佐助からの許可はない。
 これが余計なのが何人も来た結果。何とか引きはがし作戦が成功したから、元就と元親が冷戦を行っていないだけまだマシなのかもしれない。この状況に冷戦が加わった場合、安売り自体は無くなるだろうが、逆に客足がいつもより遠のいてしまうこと間違いなし、なのだから。
 ちなみに元から従業員の幸村はというと、店の物を結構色々壊している。しかも現在進行形。今もまさに茶碗を割っているところで……これでよく潰れない物だと、いっそ感心する思いだ。
 一番は、多分、いつき以外の全員をおいてくることだったのだろう。そうすれば、被害は恐らく幸村の商品破壊の他にはなかった。
 しかし自分はあまり元就と離れられない身分だし、元親はそうなったらついてくる以外無いだろうし……引きはがせるのは慶次くらいか。けれど慶次は益にもなっていないが害にもなっていない微妙な立ち位置にいるので、いてもいなくても関係ないわけであって、ということは何も変わらなかったと言うこと、である。
 恨むんなら、勝手に変な案を思いついた信玄を恨め。そんなことを思いながら佐助に今回ばかりは本当に同情していると、ふいに客の中に見知った顔を見つけて軽く目を見張る。
「かすがじゃねぇか」
 小さな声で呟いたハズなのだが、彼女は店の入り口からでもその音を聞き取ったらしい。彼女は、胃を押さえて呻いている佐助の隣を通り抜け、店の奥にいた自分たちの所までやってきた。
「竜か…何故このようなところにいるんだ?」
「助っ人。っても武田のおっさんの思いつきだけどな」
「何?…あの人間、竜に従業員をやらせるのか!?しかも思いつきで!?」
「その通りぞ」
 驚愕に揺れているかすがに、元就はこくりと肯定を返した。
 それに一瞬かすがは言葉に詰まったようだが、額に手を当てて嘆息した。心の底から呆れかえっている様な感じで。実際そうだろうが。
「全く……非常識にも程があるな」
「ま、俺もやるって言ったしな。問題はねぇだろ」
「あるに決まっているだろう!お前はもっと竜としての自覚を持て!」
「見よ、政宗。猫とてかように申すのだ。もう少し竜らしくしてみてはどうだ?」
「竜らしく…ねぇ」
 それは無理だと思うのだが。これが自然体だし。
 しかし言ったところで聞いてくれるような雰囲気でもなく、仕方がないと思いながらも話を逸らす方向に持って行くことにする。
「ところで…かすが、何でこの商店に来てんだよ。佐助いるぜ」
「別にアイツのことは嫌いではないからな、来ても障りはない……苦手ではあるが」
「ふぅん…んで、来た理由は?」
「大したことではない。武田信玄に言づてがあっただけだ。本人に直接と謙信様はおっしゃっていたし、いないとなれば、ここにはもう用はないが」
「あぁ、そういやアイツ元気にしてるか?」
「アイツでなくて謙信様だ。…何だ、どうかしたのか?」
「少し気になっただけだ。気にすんな…てか、もう帰るのかよ?」
「用はないからな。長居は無用だ」
「そうかい。じゃあな、〈猫又〉」
 ひらりと手を振りながら、妖しか持たない各々の二つ名の、かすがの持つ名を呼べば、彼女はふん、と鼻を鳴らして背を向けた。
「人の二つ名を呼ぶ前に、自分の二つ名でも告げたらどうだ。名を聞く前に名乗るのが礼儀だろう」
 それだけ言って捨てて去っていく背中に、政宗は苦笑を零した。
 生憎と、それは出来ない相談なのだが。







とりあえず、助っ人が問題なんです。


あと、その内、謙信様の所の話も…。
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