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久々弟妹同盟。八万打アンケート一位ありがとうございました。
一つのベンチに二人で座っている雲雀とクローム。
ただし二人はベンチの二つの端のそれぞれに座っていて、さらに険悪な空気なんてものを作り出していて。
一瞬だったがスクアーロの動きが止まったように見えたのは、多分間違いではない。
「……アイツらどうしたんだぁ?」
「え、いや…何か喧嘩したらしくて」
「………喧嘩ぁ?」
何だそれはと目を丸くする鮫に、綱吉は首を傾げながら答えた。
「多分、骸関係だろうけれど……何か意見の相違があったらしくて。それで気付いたらあんな感じで……まぁ、雲雀さんにクロームだから誰も手を付けられなくて」
「今に至るってか?…で、何で俺が引っ張り出されんだぁ゛?」
「……もうスクアーロくらいしか対処できる人が思いつかなかったんだよ!」
「恭弥に対してなら、へなちょことかがいるじゃねぇか」
「ディーノさんには最初に頼んだよ?結果は全治一カ月だけど」
「……使えねぇ」
「一応頑張ってたから、そう言ってあげないで欲しいんだけど…。ちなみにリボーンは厄介事に巻き込まれたくないって、雲隠れしちゃって」
「じゃあお前がどうにかすりゃいいだろぉが」
「え…いや、俺じゃ絶対無理だよ!」
「…仕方ねぇか」
綱吉が言ったところで二人は絶対に聞き入れないという事実……それは理解してくれたのかもしれない。何とも言えない表情ながら、貸し一つだからな、と呟いて、スクアーロはピリピリとした空気を作り上げている二名の方へと一歩、踏み出してくれた。
それを見て安堵を覚えながらも、綱吉は動こうとも思えなかった。彼を連れて来てもらう前に、ディーノや山本や了平が返り討たれる光景を見てしまっているのだから、近寄ろうと言う考えが浮かんでこないのはある意味、当然と言えば当然だったのだけれど。
故に一緒に二人の所へ向かう事も出来ず、さりとて去るわけにもいかず。
綱吉は、その場に立って成り行きを見守る事にした。
……事の始まりは把握していない。けれど、何かがあって……そのせいで二人が喧嘩を始めてしまった事だけは理解している。
とりあえず要因の中に骸がいると言うのなら、全部骸のせいと言う事で良いだろうから責任は全部彼に取らせよう。そんなことをつらつらと考えている間に、スクアーロは雲雀とクロームの所へ辿りついていた。
「お前ら…何やってんだぁ」
辛うじて届く声に、綱吉は思考を一時中断させて聞き耳を立てる事にした。大丈夫だとは思うけれど、もしもの場合に備えて聞く事は聞いておかなければならない。
勿論、その『もしもの場合』が訪れたら自分は逃げる。あの三人の乱闘なんて見物したくも無いし、ましてや巻き込まれる事も嫌だから。
まぁ……そんな心配、きっと杞憂に終わるのだろうが。
何か同盟が出来てたし、などと思い返していると、不機嫌そうな雲と霧の声が聞こえた。
「…クロームがどこまでも南国植物の味方をするんだよ」
「…雲の人がどこまでも骸様抹殺計画を進めようとするの…」
「……………やっぱそういう話か」
呆れたようなスクアーロの嘆息に、綱吉は声を出さずに同意した。そんなものだと思ってはいたのだ、雲雀とクロームが喧嘩をするような話なんて。
ただ、引っかかったのが骸抹殺計画を『進める』という言葉。
何だろう……計画って。前々からずっと進めているプロジェクトがある、とかいう話なのだろうか。雲雀恭弥による六道骸抹殺計画……まさか、と笑って有り得ないとバッサリ切り捨てる事が出来ないのが怖い。
しかし、そうなればクロームと言い合いになる事は避けようがないわけであって。
……成程、この喧嘩は起きるための下地が確かに存在していたわけだ。
一人納得しながら頷く綱吉の耳に、再び三人の話声が届く。
「恭弥、そういう話はクロームにすんなっつってんだろうが…」
「してないよ。勝手に彼女が立ち聞きしただけ」
「あれだけ普通の声で話してたら…嫌でも聞こえるよ」
「だからって…聞こえて直ぐに攻撃してくるかな、普通」
「だって骸様抹殺計画なんて…」
「文句あるの?」
「せめて抹消計画に……して欲しいの」
…あれ?
「…いや、それも酷いんじゃねぇかぁ?」
「抹殺だよ。ここだけは譲れない」
「でも……殺しちゃだめ」
「消すのは良いのかよ!?」
…何か話が別の方向にずれているような。
喧嘩の理由は…もしかしたら、骸を殺すとかそういう話ではなくて…………計画の名称に関する行き違い、だとか?
だとしたら…何だろう。案外、危惧したような事は起きないのかもしれない。
その事にほっとすればいいのか、そんな事で全治一カ月になった皆様に同情すればいいのか、そろそろ綱吉には分からなくなっていた。
危機=雲雀とクロームの喧嘩による同盟消滅の危機
…しかし、説明を入れないと分からないっていうのはどうなんだ…。
何より、出番がない骸が一番かわいそうな目にあってるっていうのがね。
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