式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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これと、後一つで終わりです。
最後のは、明日……
「……お前か」
刹那はベッドの上にいる人物を睨みつけた。
「テメェらじゃあ、さすがに一目で分かっちまうよなぁ」
その人物はにまりと笑って、それから顔を顰めた。
「あー、頭痛ェ……」
「寝てろ」
「じゃ、お言葉に甘えてーっと」
勢いよくゴロン、と横になった彼を、刹那は呆れてみる。
そんなに動いたら、まためまいがしてしまいそうなものだが。
案の定、彼は「あー、気持ちわり……」とか呟いていた。
ため息をついて椅子に座ると、彼が話しかけてきた。
「いつまでここにいんだよ」
「当分」
短く返す。
「可愛げのねーガキ」
「お前に言われても堪えない」
「へっ……そうかよ」
「それよりも」
髪の分け目も、瞳の色も、それどころか性格まで変わった彼を見る。
「その体はアレルヤの物でもある。あまり無理をさせるな…ハレルヤ」
「んなこたぁ、分かってんだよ」
彼……ハレルヤは吐き捨てるようにそう言うと、壁側をむいてしまった。
別にかまわない。アレルヤじゃないから。
だがしかし、ハレルヤ自身もそうそう悪い奴ではない気がするので、仲良くはしたいとは思う。
「水でも飲むか」
「もってきてくれんのかよ。俺はアレルヤじゃねーぜ?」
「知っている。見れば分かる」
というか、間違える方が不可能だ。
「じゃあ何だよ。親切心か?」
「近い、かもしれない。俺はお前のことは嫌いではないからな」
そう言うと驚いたようにまた勢いよく、ばっと振り向くものだから、学習能力はどこにいった、とため息を吐きたくなった。
が、今度はハレルヤは顔を顰めなかった。慣れたのだろうか。そういう問題ではないと思うが。今の状態の体の動かしかたが分かった、といったところだろう。
「へぇ……そいつは以外だな。てっきり嫌われてんのかと思ってたんだけどよ」
「好きではないからな。そのせいだ」
「ふぅん……」
ハレルヤは不思議そうにこちらを眺めた。
「好きでも嫌いでもない……ねぇ。曖昧だな。どうでもいいってわけじゃないんだろ?」
「あぁ」
どうでもいいわけがない。彼はライバルの一人なのだから。
「変な奴」
「お前ほどではない」
「いや、絶対テメェの方が変だ」
どこに根拠があるのか知らないがそう、ハレルヤは断言した。
そうなのだろうか、と首をかしげている内にハレルヤは欠伸をして、
「寝るわ。しばらく俺もアレルヤも起きねーから、どっかいってても問題ねーぞ」
と言って目を閉じた。
穏やかな寝息が聞こえてきてようやく、本当に寝たと分かった。
他人の前で眠ることが何を指すか、彼が知らないわけではないだろうに……それだけ、信頼されている、ということか。
少しだけ、嬉しくなった。
うちの刹那とハレルヤは、けっこう仲良しです。今のところ。
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