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あの手袋って、いつ取るんでしょうね
じぃ、という視線を感じる。
無言でいったん本を閉じ、視線を向ける人物の方を向く。
「アレルヤ」
「何ですか?」
「どうしてこっちを見つめるんだ?」
「気にしないでください」
「そう言われてもな……」
苦笑しながらも言われた通り、気にしないように努めてみる。
じぃ。
まだ、視線を感じる。
これでは集中して本が読めない。
「なぁ」
「何です?」
「本当に教えてくれないか?」
「たいしたことじゃ、ないですよ?」
「いいから」
「手袋」
「ん?」
「本読むときでも、手袋をつけているんだなって、そう思ったんです」
「それで気になって?」
「はい。邪魔じゃないんですか?」
たしかに、彼の言うとおりページを捲りにくくはある。
だがこの手袋は手を保護するための物だ。本を読むときも、というか読むときだからこそつけておかないといけない。紙で手を切ることもあるのだ。
「でも、たまには手袋をつけていない手も見たいですね」
「何でだ?」
「だって、ロックオンの手って、キレイじゃないですか」
さらりと、何でもないようにこんなことを言ってのける彼。
これが意図的な物でなくて、天然ゆえのセリフであるというのがある意味恐ろしい。
「お前さぁ、もっと周りに気をつけるべきだよな……」
「それってどういう?」
「そういう所、嫌いじゃないが……隙だらけだと付け入れられるぞ」
どういうことか分からないらしく首をかしげる彼を見て本当に、誰かが守ってやらないとあらゆる意味でまずいのでは、と思った。
アレルヤって隙だらけそうですから、簡単にだまされそう。
そして、それを思って心配するロク兄。
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