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ちょいと続くお話な予定です。白辺でえうーごとかゼータの血縁な皆様のお話。
帰宅後、リビングに足を踏み入れたメタスは目を丸くした。
「……あれ、ゼータ、まだ帰って無いの?」
「へ?メタスちゃんと一緒じゃなかったのかよ?」
「うぅん、今日は先に帰っちゃったんだよね、ゼータってば」
何か用事があるようだったから、別れたその時は気に留めずにいたのだけれど。
どうしたのだろうと首を傾げながら、とりあえず鞄をリビングテーブルの上に置きながら、ソファーに座り訝しげな表情を浮かべているプラスと顔を見合わせる。
「……これでまだ帰って無いなんて、おかしいよね」
「……先に帰ったっつーなら、絶対におかしいよな」
たとえ用事があったにしたって、放課後が始まってから何時間も経っているのだ。どんな用事でも終わっていると思うし、終わっていなくても途中で切り上げて帰ってくる可能性が高い。切り上げられない物ならば、そろそろ連絡の一つや二つも来る頃合いだろう。ちらりと時計を見ながら思う。
「もう、七時過ぎてるもんね……」
「これでアイツが帰ってねぇってありえねぇよ……」
プラスまで頭を抱える程の事態に、思わず、恐る恐ると尋ねかける。
「……もしかしなくてもさ、」
「……異常事態、だよな」
「……だよね」
その言葉に二人で頷きあえるほど、この事態はあり得なかった。
だって、あのゼータが、まだ帰って来ないのだ。遅くてもだいたい六時半には家に帰っている、というか基本的に六時前にはソファーでうつらうつらとしているあのゼータが、こんな時間まで家にいないと言うのはどう考えたって、異常事態でしかない。
二人はしばし無言で互いに視線を合わせたまま時を止めた。
そして、時間がようやく動き出した時。
メタスとプラスはほぼ同時に、勢いよく自分の携帯を取り出しアドレス帳に載っている、あるいはそらで言える電話番号に片っ端から電話を開始した。
挨拶も相手の言葉も待たずに、ただ質問だけを投げるように。
そんな事をするような暇はこれっぽっちも無かったから。
結果として分かったのは、誰の所にも彼が滞在していない事だった。
そんなわけで話は続くのです。
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