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九万打感謝文は、お題消化で書きあげることにしました。というわけで一つ目。
新羅とセルティのお話です。
01:携帯電話
何で、気まぐれなんて起こしてしまったのだろう。
それを見て、セルティは本気で思った。本気で後悔した。
いや、何となく予測はしていたのだ。同居人の耳をふさぎたくなるほどの、自分に向けられた恥ずかしい台詞の数々を聞き続けていたから。けれども……それでも。
……これは無いな。
声なき声で呻き、新羅の携帯をぱたんと畳む。
「セルティ、僕の携帯知らな……って何やろうとしてるの!?ちょっとセルティ!そのミニマム大鎌消して!お願いだから!」
そして手のひらサイズで作りだした刃物でその携帯を一刀両断にしてやろうとしたところで、同居人の必死な叫び声がそれを制止した。
聞いてやる道理など無いのだが……惚れた弱みと言うか何というか。手は自然と止まり、影で作り上げた武器は一瞬の内に姿を溶かした。甘い、なんて思い苦笑しながらも、新羅が慌てて彼自身の携帯を自分の手から取って行くのをさして抵抗もせずに見送る。
しかし。
「危なかった……セルティの素敵な画像が全部おじゃんになるところだった……ネコと戯れてる画とか首傾げてる画とか色々と」
『……待て』
聞き捨てならない言葉に、がしりと新羅の肩を掴む。
携帯を素直に返した事を後悔しながら、PDAに問いを打ち込む。
『何でそんな物を持っているんだ。待ちうけのパジャマ姿ならまだしも』
「臨也がこの前、手当のお礼だってくれたんだけど」
あの情報屋のせいか。
今度会ったら殴り倒そうと心に決めながらも、とりあえずやるべき事はやっておこう、という事で。
「あ、セルティ!?僕の携帯返して!影使うなんて卑怯じゃないか!」
『卑怯じゃない。あと、安心しろ。壊しはしないから。私の画像を全部消去したら直ぐにでも返してやる。顧客情報はちゃんと残しておいてやるからな』
「そんなのよりセルティの写真の方が大切だよ!」
『そんな事言われても思いとどまらないからな』
言いながら、セルティは一番最初に待ち受け画像を削除した。
パジャマ姿はきっと、寝てる間にこっそりと撮ったんでしょう。
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