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六道さん(以下略)シリーズ。ちょくちょくと増やしていきたいと思います。
今回は六道親子のお話。




「凪ー、恭弥ー、朝ですよー!起きなさい!」
 窓から柔らかな光が差し込む頃。
 いつものように養い親の大声が聞こえて来て、雲雀はうっすらと目を開け眉を寄せながら布団の中に潜り込んだ。その時に凪も一緒に中に巻き込んでしまったけれど、それに気付かなかったのか彼女は穏やかな顔で、静かにすやすやと寝息を立てている。
 あの男の子供だとは考えられないな、と思いながらもう一度目を閉じる。日曜日にまでこんな時間に起こされるいわれなんて無い。さっき確認した時計の二本の針が真っ直ぐ直線になっていたのを思い出して、息を吐く。何にも行事も用事もない日なんだから、せめて七時くらいまで寝かせて欲しい。
 けれども、そんなささやかな願いすらあの男は無碍にしてくれるようで。
「こんなに良い天気なんですから、早く目を覚ましてください!」
 がば、と布団を取りあげられた瞬間、雲雀は素早く起き上って、隠し持っていたトンファーで養い親の腹のあたりを思いっきり殴りつけた。
 効果は抜群。その上突然の事で、衝撃緩和も何も出来るワケもなく。
 布団を持ったまま、骸は腹を抱えて沈み込んだ。
 ベッドの上に立ってそれを見降ろしつつ、トンファーを収める。
「おはよう、六道骸」
「お……おはよう……ございます、恭弥……あと、僕の事はお父さんと……」
「今日はかなり早く起こしてくれたんだね、六道骸」
「ですから……お父さんと……」
「一体何で六時に起こすのさ、六道骸」
「……ぐすん。泣きますよ?」
「もう泣いてるよね」
 涙目になる養い親を冷たく見てから、雲雀はベッドの縁に座った。
 ふらふらと足を揺らせ、凪が起きていないのを見て安堵する。
「それで、何でなのかな」
「簡単な事なんですけれどね、」
 ようやくトンファーによる衝撃から立ち直れたのか、骸は涙を引っ込めて、右手の人差し指をピン、と立てた。
「僕が早く起き過ぎちゃって、暇だったんですよ」
「ふぅん……そう」
 再びトンファーを出現させて、雲雀は床に降り立つ。
 そして、骸の目の前でそれを構えた。
「そんな理由で幼稚園児をこんな時間に起こさないでくれるっ!」
 
 ……十秒後、布団の無いベッドの上には小さな二つの影があったとか。







雲雀さんは幼稚園児のくせにあり得ないほど大人びちゃってる人、っていうことで。
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