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折原兄妹のお話です。はさみです。
02:はさみ
「ボールペンじゃ没個性だから、ここは鉛筆ってどうかな」
「……似……」
「えぇぇ?じゃあシャーペンとか?」
「同……」
「……お前ら今回は何の話してるんだよ」
臨也が呆れと警戒を一緒くたに混ぜ込んだ声音で投げた問いかけに対して、舞流はニコリと笑って、九瑠璃は暗い表情で、同時に口を開いた。
「クル姉の護身用武器の話だよ!」
「……護……」
それでどうして文房具の名前が出る。
彼女らの言葉を聞いて心の底からそう思ったのだが、しかし、それを口から外に出す前に、双子の妹は再び二人だけの話し合いの世界に戻ってしまった。
「定規ってどうかな。三角定規!角っこでぶすって刺すんだよ!」
「……否……」
「え、だめ?じゃあクル姉は何が良いの?」
「……鋏………多」
「いっぱいのハサミ?投げるの?投げちゃうの!?さっすがクル姉!いいねいいね、それにしよっか!買い集める費用は全部イザ兄に出してもらえば良いんだし!」
「……是……」
……こいつらは、兄を何だと思っているのだろう。
歩く財布だとか思っているなら、今すぐにでもその歪み切った認識をただしてやらなければならないのだが、果たしてそれが自分出来るかどうか。……いや、果たして彼女ら相手にそんな事が出来る人間がいるかどうか、というところからが問題なのだが。
というか。
「護身用武器って、既に無かったっけ?スプレー的な何かが」
「確かにあるけどさ、」
何となく首を傾げると、舞流が笑った。
「それだけじゃあ何か、飽きてきたよねって話になったんだよ!」
「……あっそ」
らしいといえばらしい言葉だが、そんな思いつきのせいで自分の所持金を消費させられてはたまらない。
すぐにでも彼女らの計画を潰そうと心に決めた瞬間だった。
この三名を書くと、どうしても双子が兄を引っ張りまわすみたいなのになっちゃうんですけれど…。
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