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久々100題です。そろそろ、どんな設定でやってたか忘れかける頃……危ないですね。
えうーごさんちのお話になっております。
65:ハサミ
その、微動だにしない二名を見やって、マークⅡは呆れればいいのか拍手をくれてやればいいのか、どちらにすればいいのだろうかとわりと真剣に悩んでいた。
「……何でこいつら眠れてんだよ」
ぐっすりと寝入っている彼らの前で、思わず息。
確か、自分たちは一日中『眠っていた』事になっていたのではなかっただろうか。だというのにこの二人……ゼータとダブルゼータは、一体どうしてここまでしっかりと睡眠をとれていると言うのだろう。自分たちは睡魔に襲われる事さえなかったのに、本当に……あぁ、もしかしたら睡魔を自分で捕まえに行ったのだろうか。だとしたら捕まえ方を自分にも教えて欲しかった。
……教えてもらったところで実行できるとは思えないが。
まぁ、何となく二人が二人なので、眠れている事に納得出来はする。方や一日中睡眠もざらなゼータ、方やバ……単細胞なダブルゼータだ。確かにこのくらいの事、というかこう言う事ならやってのける気はする。
「その点まだお前はまともだよな……」
「……?何の話だよ?」
突然視線を向けられたプラスは首を傾げ、直ぐにどうでも良い事と判断したのか話を簡単に転換した。
「それよりもアンタ、ハサミ持ってねぇかい?」
「ハサミ?」
何に使うのだろうと首を傾げると、プラスはちょいちょいと彼自身の頭を指さした。
「いや、何か枝毛見っけたから切ろうと思ったんだけどよ。手で千切るよりは道具使った方が楽だろ?」
「あぁ、そう言うことな……でも悪いけど、持ってねぇよ?」
「やっぱそうだよなぁ……ま、素手でも良いか」
そりゃ、なんて掛け声とともに聞こえたブチ、という音。
千切るどころか引っこ抜いてしまったらしいと音から判断して、マークⅡは肩を竦めた。
枝毛なんて、ゼータとかダブルゼータとかは全く気にしないだろうなぁと思うけれど、やっぱプラスだし、身だしなみには気を使ってるかなぁとかとか。
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