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式ワタリによる、好きな物を愛でるブログサイト。完全復活目指して頑張ります。
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途美なソーマ&マリー、略してソーマリーのお話です。……略さなくて良いですよね。ごめんなさい。



1680円切手
 
 
 
「八十円切手?」
「もしくは五十円切手二枚でも可。……無い?」
「手紙とは最近は疎遠だったからな……残念ながら、無い」
「そう……残念ね」
「……何に使うつもりだったんだ?」
「切手なんだから、郵送物にはるつもりだったのよ」
「いや、それは言われなくても分かるんだけが」
 だから訊きたいのはそれでは無いのだけれども。
 そう思いながら頭を掻くと、彼女はくすりと笑った。
「分かってるわ。えっとね……手紙を、書こうと思ったのよ。というか、書いたの」
「何時の間に書いたんだ?」
「授業中に」
「……悪い生徒」
「その言葉、授業中に先生の話そっちのけで、ひたすらノートの隅にパラパラ漫画を作ってる貴方には言われたくないかも」
「う……」
 そこを突かれるのは痛い。
 思わず呻いた押し黙ったこちらを楽しそうに眺めながら、彼女は傍にあった彼女の通学カバンを手繰り寄せて、パチン、と音を立てながらそれを開けた。それから、中から既に封もしてある可愛らしい封筒を取り出す。
「これがその手紙。急ぐものではないけれど、やっぱり出すなら早い方がいいと思って」
「まぁ、その意見は分かるな。後でいいと放っていたら、その内忘れるものだろうし」
「分かってもらえて嬉しいわ」
「で、何の手紙なんだ?」
「えぇと……耳かして?」
「……?分かった」
 この部屋には自分たち以外いないのにと思いながらも、言われたとおりに耳を彼女の口元へ近付けると、こそり、と小さな声が入りこんできた。
 頭を離して改めて彼女を見ると、彼女は少し照れたような表情を浮かべていた。
「どうかしら」
「良いんじゃないか?そういうのは嫌いじゃない」
 そう言って笑むと、彼女も嬉しそうに笑った。






誰か大切な人へお手紙を。
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