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お正月シリーズ第一弾・初詣。
というわけで、天玉町の初詣です。孫策と周瑜と+αたち。



 いつもは閑散としている境内も、この日だけは平常時の光景が嘘であるかの様に賑わう。それはきっと、この地域にある神社がここだけだからなのだろう。初詣に行こうと思った時、遠くにある神社へわざわざ行こうとでもしない限り、この辺りに住む人々は否が応でもここに来るしかないのである。
 というわけで、今。
 自分も初詣の作りだす人ごみの中にいるわけなのである。
 初詣を終えた人々が返る事で少しずつ境内の人口は減ってはいるはずなのに、次から次へとここへやって来る人々のせいで減った気がしない。それどころか増えていく一方なのではないかと、孫策は息を吐いた。
「想像はしていたし経験もしているが……やはり凄いな、この人ごみ」
「確かに凄いが、今年は去年よりは少ないらしいぞ?」
「そうなのか?あまり変わらん気がするが……」
「まぁ、こんな事は外から見ないと分からないものだからな」
 首を傾げる自分にそう言って、周瑜は彼が着けているマフラーに手を触れた。
「こんなに寒いんだ、出たくないという気持ちも分からなくは無いしな」
「あぁ、それはそうだな。俺も朝は布団の外に出たくなかった」
「お前はそこからなのか……」
 しみじみと思いながら頷くと、呆れた表情を浮かべられた。
 まぁ、その反応はもっともな物だろう。苦笑いを浮かべ、朝の光景に思いを馳せる。
「俺は起こされて直ぐに布団から出たからまだ良かったんだが……中学二年組がなかなか起きなくてな。文字通り叩き起こされていたぞ、アイツら」
「お前の家は相変わらずだな……」
「慣れれば特に問題は無いぞ?叩き起こしに関しては直ぐに起きれば良いだけだ」
「そう言える事というだけでも、お前の事を無条件で尊敬しそうになるんだが。……で?お前の家の住人は、今は、どこで何をしている?」
「父上は家でのんびりすると言っていたな。呂布はおせちを食べ終えた後、気が付いたら姿が無かった。残りは全員初詣に来ているはずだぞ」
「つまり、ここで探せばだいたいが見つかる可能性がある、と言うことか……」
「探すまでもなく見つかる面子もいるわけだがな」
 呟き、孫策は前方へと視線を向けた。
 周瑜も同じように顔を本殿の方へと向けるのを気配で察しながら、心の中で息を吐く。微かであろうとここまで声が聞こえてくるのはやはり、声を少しばかり大きくしてしまっているのと、人ごみを作りだしている人々が彼らの会話に聞き耳を立てて若干声をひそめているからだろうか。
 別に訊いていても面白い事は無いだろうにと思いながらも、ふらふらと自分たちの所にも辿りついた二人の会話を捕まえる。
「だからいい加減にここから離れろ!」
「嫌だ!願いはあと九十個も残っておるのだぞ!?」
「十八も願っておいてまだ願うつもりか!?いい加減に後続にここを譲れ!」
「だから断ると言っているであろう!今年こそはあのゲームどもをクリア出来るようにと祈り切るまで余はここを動かぬ!」
「ありとあらゆる意味で黙れ!あと貴様にゲームの才能は無いのだからその願いは早急に諦め廃棄してしまえ!」
 ……周瑜ではないが、本当に相変わらずだった。
 新年早々これなのかと思うと何とも言えない気もするが、あれはあれで慣れれば微笑ましい……と形容するのが正しいのかはさておいて、少なくとも平和な光景である事は間違いない。あぁいう姿は笑って流すのが正しい反応だろう。
 そんな風に考えながら視線を本殿側から逸らしてみれば、今度は凸凹な三人組が視界に入った。大人が一人と中学生が二人。……そういえば尚香が劉備を初詣に今年も誘えなかったと嘆いていたが、成程、そう言うことか。彼らも彼らで相変わらず、仲良く一緒にここに来ていたということらしい。
 残念なことに、彼らの会話は聞こえてこなかった。距離があるし、恐らく彼らは普通の声の大きさで話をしているのだろう。あるいは、彼らも声をひそめ、本殿前の喧騒に耳をそばだてているのかもしれない。
 そして孫権と尚香と言えば、陸遜と共に、おみくじコーナーに姿を見せていた。尚香だけは遠目にも分かる程に楽しげにしているのだが、他の二人が妙に疲れた気配を纏っているのは気のせいなのだろうか……気のせいであってくれた方が、自分としてはありがたいのだが。……そうでなければ見捨て辛い。
 無言が沈黙に変わった事に気がついたのだろう。周瑜もちらりとそちらを見て、やれやれと肩を竦めた。
「……あそこも相変わらず、だな」
「まったくだ。今年は少しくらい、あのお転婆も大人しくなってくれれば良いんだがな…」
「何だ、それがお前が願うことか?」
「いや、流石にこんな事を神に祈るのは申し訳が無い。もっと別の事を願うさ。そういうお前は何を願うつもりだ?」
「言ってしまっては面白くないだろう?」
 ふ、と笑って答える親友に。
 そうか、と答えてこちらも笑った。







本殿の前での言い合いはどうしても入れたかったのです。曹操様と曹丕。しかし私は曹丕を何だと思っているのだろう。
凸凹三人は義兄弟ズ。先生一人と中学生二人だし、みんなキャラ違うしね。

ちなみに、書けなかったけど、初詣の人ごみの中にはきっと他の人たちも存在してると思われ。
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