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座るっていうか、寝てるんだけど……。
まぁ、座っているので、座っているという事で。
ヴァリアーなお話です。



05:座る (Re:ヴァリアー)
 
 
 
 その光景があんまりにも珍しい物だったから、だろう。
 そう。きっと、そのせいだ。思わず、何度も何度も瞬きをしてしまったのは。
 驚愕が過ぎ去った頃に、ようやく扉を閉める事に思い至り、室内に入ってから出入り口を封じる。危うく部屋に入る前に扉を閉めかけてしまったのはきっと、過ぎ去った驚愕の残滓が未だ残っていたからなのだろう。
 政務室内にある立派な机の所へとふよふよと向かって行って、書類が一つも置かれていないその上にちょこんと乗る。
 それから、まじまじと件の机と対となっている椅子の方を見た。
 普段なら、そこには自分たちの主が座している。そして、あまり動く事はない。けれども、まぁ、それは当然のことだろう。何せ、かの人はこの組織の長なのである。ふらりとどこかへ行かれるのは困るし、彼が動かざるを得ない状況に陥るだなんて……それ以上に困る事態でしかない。
 故に。
 自分たちの主がその椅子の上にいない事が驚きであったし。
 そこに、彼の代わりの様に独立暗殺部隊次席が収まっている事は、さらに驚く事だった。
 何をしにこの鮫がこの場所に来たのかは、彼の手に収まっている紙の束を見れば容易に想像がつく。恐らく、彼も自分と同じように、任務終了の報告をしに来たのだ。
 しかし、今と同じように、そこに報告すべき相手がいなかったのではないだろうか。
 そして、彼は待つ事を選んだ、のだろう。出直すのが面倒だとか、そんな風に思いながら、何となくこの椅子に座って待つことにしたのだろう。
 その結果が、この状況。
 静かに寝息を立てている鮫を眺めながら、やれやれと肩をすくめる。
 彼に与えられていた任務がどれ程の物なのかは知っているし、確かにあれは疲れる者だとは思うけれど、だからといってこんな場所で眠って良いわけではないだろうに。
 いや、それでこそ傲慢の名を冠する男だと言うべきなのだろうか。
 そんな事を考えながら、少しだけ、笑った。






会話文が一行もなく、固有名詞も一応ない文章を目標にしてみました。どうだろう。
視点はマーモン。ベルでもよかったけどマモ。
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