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着る、っていうか、選ぶ、っていうか、調べる、っていうか。
そんな感じの罪歌さんと波江さん。殆ど会話文だよ!



14:服を着る (DR:園原罪歌の恋愛事情)
 
 
 
 こと、と目の前に置かれた飲み物入りのカップを手にとって。
 罪歌は、静かに波江の顔を見上げて尋ねた。
「ねぇ、男の人が好む服装って何なのかしら」
「突然訪ねてきたかと思ったら……一体何なの?」
「いえ、こんな事を杏里に訊くわけにもいかなかったものだから、ね。それに、電撃訪問して春奈を驚かせるわけにもいかないし。貴方しか頼る相手がいなかったのよ」
「私の所へは電撃訪問しても良いってわけね」
「貴方を訪ねては来たけれど、貴方の家に訪れたわけじゃないのだから良いじゃない」
 自分がこの場所に訪問する事に渋い顔をする相手がいたとしたら、それは彼女では無くて彼女の雇い主の方だろう、と思う。
 ならば何の問題もないと、出されたたコーヒーを一口すすって眉を寄せる。
 ミルクも砂糖も入っていないそれは、随分と苦かった。
「……もしかしなくても、私の訪問はタイミングが悪かったのかしら?」
「多少は。けど、悪過ぎるという程でもないし、その程度で許してあげるわ」
「それは幸いね……」
「それで、服、だったかしら」
 罪歌の隣に座りながら、波江は考え込むようなそぶりを見せた。
「……もちろん、あの、池袋最強が好きそうな服と言う事よね?」
「えぇ、そうよ。分かる?」
「残念ながらというべきか、私には彼の趣味は分からないわね。折原臨也にでも訊けば分かるかもしれないけれど、どうする?」
「嫌」
「でしょうね」
 即答すると、彼女は呆れた表情を浮かべた。しかし、その表情の中に若干の納得の色が見え隠れしている様に思えるのは、きっと自分の勘違いではないだろう。どんな話を、否、情報を訊くにしたって、彼からだけは絶対に聞きたくないのは、自分だけでは無い様だ。
 もっとも、助手という立場上、彼女には否が応でも話を聞く機会はあるのだろうけれど。
「一般的な話で良いなら言うけれど」
「聞くわ」
 その事に同情しつつ、罪歌は波江の言葉に静かに耳を傾けた。






本当に罪歌が好きだな自分。
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