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……なんですけどね、書いた話が需要がないっていうか……。
まぁ、本日中には上げるんですけど。
何でこの組み合わせになったのかと訊かれても答えられないです。
ていうかむしろ、私が訊きたいかもしれないです。
で、本当に上げました。
「……あら?」
珍しい物を見つけた。
それは遠くから見たら単なる黒い固まりで、しかし近づいてみると確かに人間であるのが分かる。
プールの傍にある、喫茶店の外側においてあるような丸いテーブル。それに俯せになって眠っている、一人。
彼に触れることができる距離まで来たというのに、一向に目覚める気配はない。
本当に、珍しい。
どうやら自分は彼はともかくとして、もう一人。彼の中の別の人格の方には信用されていないようだから、ここまできたら気配を察知して、警戒して起きてくると思ったのだが。
精神的なものでなく、肉体的な疲労がたまっていたのかもしれない。ここのところミッション続きで、休む間も無かっただろうから。
そんな彼がどうしてここにいるのかというとそれは、スメラギ・李・ノリエガに半強制的に送られてきたからである。丈夫だから、と宇宙で作業を続ける彼を休ませるために。ここならば休暇にはもってこいだ。周りに自然はたくさんあるし、プールといった設備も十二分にある。
そういうわけで彼は今日から数日間、ここに滞在することになったのだ。
折角の機会なので寝顔鑑賞でもしようかと、彼の向かいの席に座って顔をのぞき込む。
穏やかで、無防備な寝顔。まるで、子供のような。
この様子だけ見ると、彼がマイスターの一人であるのが嘘のようだ……いや、普段の様子も十分、戦場を生きる者としては。
どうして彼はマイスターなのだろう。今更のように思う。
彼は優しすぎる。戦いに向いていないように感じられる。
なのに、どうして。
「まぁ……考えても意味のないことね」
言って、ため息をついた。
いくら考えようと、それは想像の域を出ない。それに、これは本人に訊くような話でもない。だから、知る術など無いのだ。
過去を知ることができたら。そうしたら分かるのだろうか。
ヴェーダへのハッキング。それができたら、もしかして。
もちろん不可能であるのは分かっている。だからこそ、こうやって冗談のように考えることができる。
しかし、その一方、本気でそれを考えている自分がいるのも事実だ。
紅龍にでも頼んでみようか。彼ならとりあえず、自分の頼みならば努力はしてくれるだろう。できるできないは置いておいて。
そんなことを思う、自分。
結局は実行しないのだろうけど。
「お嬢様」
「どうかしたの、紅龍?」
いつの間にか後ろに立っていた紅龍に、振り向きもせずに訊く。
見なくても、どんな顔をしているか分かる。そのくらいは付き合いは長い。
「そろそろお部屋に戻りませんと」
「もうそんな時間なの?」
ふい、と顔を上げると、空はもう暗くなり始めていた。
「本当ね。入りましょう」
「アレルヤ・ハプティズムも起こしましょうか」
「えぇ………いえ、少し待って」
彼の肩を揺すろうとした紅龍を制し、端末を取り出す。
「せっかくですもの。寝顔を撮っておきましょう」
「……怒られませんか?特に、マイスターたちが……」
「気づかれなければいいのよ」
おそらく呆れた表情を浮かべているだろう紅龍に、くすりと笑って答える。
そして、そのまま映像保存のためにボタンを一つ、カシャリ、と。
その日撮ったその写真は、今でも大切に保存されているだとか何だとか。
留美アレ…………っ!?(私はどんなときでもアレルヤ総受けですので)
ていうか留美+アレ……需要がなさそうなものを………
でも思いついちゃったんですよ……。